バルト三国の中央に位置する森の国ラトビアを2026年6月、旅しました。中世から700年以上も列強に支配されながら、独自の暮らしと文化を紡いできました。美食シーンは近年、評価を高めていて、レストランガイド「ミシュラン」2026年版では34軒が掲載されました。この記事では首都リーガのレストラン4軒を紹介します。ミシュラン掲載店から老舗チェーンまで、気軽に行ける店ばかりです。夏だとテラス席で、中世の建築やアール・ヌーヴォーを見上げながら食事が楽しめます。(1ユーロ≒184円、2026年6月現在)
中世の建築仰ぎ見ながらビール

首都リーガを訪ねるのは2025年12月に続いて2回目ですが、冬には気付かなかったことの一つがレストランの「テラス文化」です。どの店の前にもパラソルが開き、テラスがにぎわいます。欧州の都市でよく見られる風景ですが、とりわけリーガ旧市街は原則、一般車両の入場が禁止されているので、かなり広い印象です。店の前を離れた先の広場までも「テラス支店」があります。料理を運ぶのが大変でしょうが、車がないからなせるわざですね。乾杯のグラスに映るのは中世の建築物、というぜいたくさです。
テラスは4月に解禁され、10月中旬まで営業しています。冷える時期はヒーターや毛布が用意されています。午後9-10時ごろまで日が沈まない6-8月がにぎわいのピークです。
カジュアルな「バルター・カザ(Baltā Kaza)」


旧市街のにぎやかなエリアにあり、ノンストップ営業なのでカフェづかいもできるのが「バルター・カザ(Baltā Kaza)」です。店名通り「白いヤギ」が目印です。来るのは2度目ですが、やはり初夏のテラス席は最高に気持ちいい!周囲の店もテラスが満席で、にぎやかでした。


揚げた黒パンのおつまみはカリカリして、ジェノベーゼとトマトがよくあいました。サイドディッシュのカリフラワーは、クランブルがいいアクセントです。


メインのチキンはちょっと甘めのソースでした。


デザートが秀逸でした。ホワイトチョコにフレッシュなブルーベリーがたまらないおいしさです。オレンジの小さな実・シーバックソーンのソースが独特の酸っぱさで、アクセントになりました。



Baltā Kaza(バルター・カザ)
住所:Skārņu iela 4, Centra rajons, Rīga, LV-1050 ラトビア
営業時間:10:00-0:00(原則無休)
公式Instagram
アール・ヌーヴォー通りの「ユース(juusu)」


リーガ新市街でアール・ヌーヴォー建築が集まるアルバート通りにあります。向かいはアール・ヌーヴォー博物館(Riga Art Nouveau Center, museum)で、テラス席なら美しいファザードを眺めながら食事ができます。ここも昼休憩がないので、観光の合間のひと休みにもピッタリです。


ラトビアのおつまみの定番・揚げ黒パンが大きくて最高です。パンの酸味がいい仕事をしています。


ラトビアと言えば…のジャガイモもホクホクで、焼こうと揚げようと、どうしたっておいしいです。


骨太な伝統料理をセンスよく出してくれます。

juusu(ユース)
住所:Alberta iela 13, Centra rajons, Rīga, LV-1010 ラトビア
営業時間:12:00-21:00(月休)
公式サイト
お手ごろビュッフェの老舗「リド(LIDO)」

リドは1987年創業、首都リーガ周辺に15店以上あるレストランチェーンです。ビュッフェ式で手軽にラトビアの伝統料理が楽しめます。

リーガ大聖堂に近い「リド・アルス・セータ (LIDO Alus sēta)」はビアガーデンで、自分でサーバーから生ビールを注いで楽しめます。テラスはパラソルではなくテント式で、雨が降り出しても安心です。

レーンがコの字型になっています。最初にトレイやカトラリー、紙ナプキンを準備して窓際から回ります。トングやお玉が置いてあれば自分でお皿に載せます。なければスタッフに頼んで盛ってもらいます。「少しで(A small portion)」と言っても彼らの「少し」は多いので覚悟しましょう。

私はその日のメニューだったチキンをメインにして、ザワークラウトと赤えんどう豆をいただきました。自分でサーバーからカシスジュースを注いでトレイに置いて、レジで精算しました。飲み物込みで9.2ユーロは破格です。お昼どきは満席だったテラス席は午後2時、空いていてゆっくり味わえました。
LIDO Alus sēta(リド・アルス・セータ )
住所:Krāmu iela 2, Centra rajons, Rīga, LV-1050 ラトビア
営業時間:11:00-20:00(金11:00-21:00、土12:00-21:00、日12:00-20:00)
公式サイト
芸術的な「トリス・パワール(3 pavāru)」

トリス・パワール(3 pavāru)」ⒸPen&Voyage
伝統の素材をいかしてアートの域に昇華させているのが「トリス・パワール(3 pavāru)」です。もともとは17世紀、スウェーデン兵のための兵舎だった細長い建物にあります。「3人のシェフ」という意味の名の通り、3人のシェフによってつくられました。

そのうちの1人は森のレストラン「パワール・マーヤ(Pavāru māja)」のオーナーで、スローフードの実践者として知られるエーリクス・ドレイバンツ(Ēriks Dreibants)さんです。パワール・マーヤ同様、芸術的な料理が持ち味です。

アミューズ(つきだし)はまさにアートでした。ツルッとした紙はランチョンマットかと思いきや皿そのもので、ソースやディップが描かれました。おおー、と歓声が上がります。


ラトビア名物の酸っぱいシーバックソーン、ペスト(ジェノベーゼ)、ベリー、赤エンドウ豆のハモスなど5種類です。味噌入りパンでぬぐって味わいました。パンが香ばしくて、料理の前に食べ過ぎました。


前菜はホワイトアスパラガスと白トリュフ、鶏ムースでした。トリュフがよい香りです。メインは仔牛のチョップを選びました。思いのほかあっさりしていて、モレル茸のソースがうまみになりました。



3 pavāru restorāns “Tam labam būs augt”(トリス・パワール・レストランス “タム・ラバム・ブース・アウグト”)
住所:Jacob’s Barracks, Torņa iela 4, Centra rajons, Rīga, LV-1050 ラトビア
営業時間:17:00-23:00
公式サイト
ラトビア バルト三国の中央に位置する。人口180万人。面積は約6.5万km²で、九州と四国を足したぐらい。国土の半分が森林。中世からドイツやポーランド、スウェーデン、ロシアなどの支配を受け、20世紀には独ソに占領された。1991年にソ連から独立を回復。公用語はラトビア語。通貨はユーロ。
「バルト海の真珠」と呼ばれる首都リーガは13世紀からハンザ同盟に加盟し、バルト海交易の拠点として栄えた。ドイツ商人らの営みを今に伝える街並みは「リーガ歴史地区」として1997年、ユネスコ世界遺産に登録された。北緯57度はモスクワや米アラスカ州南部と同程度。人口は60万人ほどで、バルト三国では最大。
(取材協力:ラトビア投資開発公社<LIAA>観光部、フィンエアー)







