バルト三国の中央に位置する森の国ラトビアを2026年6月、旅しました。中世から700年以上も列強に支配されながら、独自の暮らしと文化を紡いできました。この記事では首都リーガにあるヨーロッパ最大級の屋内市場で、世界遺産にも含まれるリーガ中央市場を紹介します。試食ツアーでは気取らない日常の味が楽しめます。(1ユーロ≒184円、2026年6月現在)
元・ツェッペリン格納庫


リーガ中央市場は1930年にオープンしました。カマボコ型の屋根は元々、ドイツ軍によるツェッペリン飛行船の格納庫に使われていました。大きすぎるので基礎は再建されましたが、それでも高さは20.5mあります。肉・魚・乳製品など5つのパビリオンに3000業者が出店、近ごろはカルチャー発信地としても注目されています。リーガ中央駅や国際バスターミナルから徒歩2~5分と近く、1日4-5万人が訪れます。

リーガ市の小旗を持ったガイドのインドラさんに導かれ、パビリオンを巡りました。上部の青色はリーガを流れるダウガヴァ川やリーガ湾(海)を、下半分の白は「自由」の象徴です。白といえばカモメがたくさん飛んでいました。


ラードの燻製サクサク

ラトビアの人々は冷蔵庫がない時代、とれた魚や肉を燻製にして保存していました。肉パビリオンのショーケースには豚肉、鶏肉、仔牛肉といったスモークミートが並んでいました。かなり強いアメ色です。

試食のメインはラードの燻製「スペキエス(Speķis)」です。ヨーロッパ各地にある油脂を味わう文化を感じます。南はオリーブオイル、西はバター、東がラードといった具合です。

脂と鼻と鶏を味わいました。ラードはサクサクで、鼻はコリコリしています。チキンは塩けがあります。ビールに合い過ぎです。


魚パビリオンではウナギ、イクラの燻製がありました。新鮮さや素材の味を重視する和食とはまた異なり、興味深いです。

色鮮やかピクルスにディップ

主食の黒パンをはじめベリー類にサワークリームなど、ラトビアの食卓には酸味が多く登場します。ピクルスやザワークラウトもその一つです。赤色はザクロの果汁で、黄色はターメリックで染められています。


グルメパビリオンにあるサイモンズさんのディップの店では、伝統食材のヘンプシードバターや、ジェノベーゼ(ペスト)を試食させてもらいました。



「イエヴァのチーズ」


グルメパビリオンではインドラさんお勧めの「イエヴァのチーズ( Ieva’s cheese)」も訪ねました。3ヶ月熟成させたハードチーズはプレーン味のほか、ニンニク、バジルとタイム、クミン入りといったフレーバーがあります。クセがないのでどんな料理にもあいそうです。


野菜や果物は屋外が中心です。ラトビア産のイチゴはハウス栽培で少々、お高いのですがおいしい!ブルーベリーはモロッコ産とのことでした。


花屋もたくさんあります。街角でも小さなブーケを持った人をよく見かけるお国柄なので充実しています。

パビリオンの通路にあった小さな八百屋さんで、ドライフルーツを買いました。ラベルが手書きで、何とも味わいがありました。ラズベリーとプラムで、合計10ユーロでした。ヨーグルトに混ぜて味わっています。


リーガ中央市場(Rīgas Centrāltirgus)
住所:Nēģu iela 7, Latgales priekšpilsēta, Rīga, LV-1050 ラトビア
営業時間:7:30-18:00(日は7:30-17:00)※時期・エリアにより変動あり
公式サイト
試食ツアーの予約:Jānis Riekstiņš :janis.riekstins@gmail.com(英語)
ラトビア バルト三国の中央に位置する。人口180万人。面積は約6.5万km²で、九州と四国を足したぐらい。国土の半分が森林。中世からドイツやポーランド、スウェーデン、ロシアなどの支配を受け、20世紀には独ソに占領された。1991年にソ連から独立を回復。公用語はラトビア語。通貨はユーロ。
「バルト海の真珠」と呼ばれる首都リーガは13世紀からハンザ同盟に加盟し、バルト海交易の拠点として栄えた。ドイツ商人らの営みを今に伝える街並みは「リーガ歴史地区」として1997年、ユネスコ世界遺産に登録された。北緯57度はモスクワや米アラスカ州南部と同程度。人口は60万人ほどで、バルト三国では最大。
(取材協力:ラトビア投資開発公社<LIAA>観光部、フィンエアー)







