【台北・桃園ラウンジ】エバー航空マイル上級会員向け「ザ・スター」レビュー

エバー航空が離発着する台北・桃園（タオユェン）空港の第2ターミナル出国エリアには、同社のラウンジが4つあります。この記事は、エバー航空と同社が属する航空連合・スターアライアンス加盟社のゴールド会員を対象にしたラウンジ”The Star”(ザ・スター）について、どんなサービスがあるのかレポートします。（多田千香子＝福岡発/原田亜紀夫＝成田発）

ラウンジ「ザ・スター」：マイレージ上級会員向け

「ザ・スター」はエバー航空のマイレージプログラム「インフィニティ・マイレージランズ（Infinity MileageLands）」のゴールドか、スターアライアンス加盟社のゴールド以上のステータスで、スターアライアンス加盟社のフライトに搭乗する人が対象です。たとえばANAであれば「ダイヤモンド」「プラチナ」「スーパーフライヤーズ」の会員がANAやエバー航空を利用する場合、搭乗クラスは問わず、エコノミークラスでも利用できます。

桃園第2ターミナルではどの航空会社のラウンジも、出国フロアの上（ビル全体では4階）にあります。「貴賓室（VIP lounge）」の表示をめざして進みましょう。「ザ・スター」はビジネスクラス搭乗者を対象にした”The Infinity（ザ・インフィニティ）”ラウンジと同じ入口で、受付に向かって左側が「ザ・スター」、右側が「ザ・インフィニティ」です。搭乗券を見せるとコンシェルジュが親切に教えてくれるので、自分がどちらのラウンジが使えるか受付で訊いてみるとよいでしょう。

ふかふかのリクライニングチェアも

シャワーブースやVIPルームが並ぶ通路を抜けます。「ザ・インフィニティ」と同様、入口近くに赤ちゃん用スペースがありました。日本では見かけたことがない立派なオムツ交換台です。オムツやウェットティッシュもそろっています。

椅子もテーブルも様々なタイプがそろっています。ハイチェアやゆったりとしたアームチェアに加え、突き当たりを左に入ったスペースには4席、レザー仕様のリクライニングチェアもありました。パーテーションで仕切られたラウンジの奥の片隅、気づきにくい場所にあります。往路、成田から到着した場合は、ウィーン行きまでのトランジットは6時間ほど。搭乗までできるだけリラックスして過ごすにはお勧めです。ラウンジ内にちょっとお昼寝できるスペースはありますか？”Is there any space I can take a little nap？”と職員に尋ねると、「あちらにレージーボーイ（リクライニングチェアの通称）がありますよ」”There are some La-z boys over there”と教えてくれました。

USBポートやコンセントも各席に備わっています。台湾と日本はプラグの形状が同じなので、携帯電話やパソコンであればそのまま利用できます。

焼き芋に中華粥、牛丼も！点心に目移り

「ザ・スター」は隣の「ザ・インフィニティ」に比べてかなり座席数も多く壮観です。そのぶん、ダイニングコーナーも広く、充実していました。緑色のトレーを手に好きなものをお皿に載せていきます。焼き芋の釜や台湾素食（精進料理、ベジタリアンメニュー）、台湾式サンドイッチにセイロに入った小籠包など、台湾の味が楽しめます。牛丼やトッピングが豊富な中華粥、ヌードル、もちろん西洋メニューもあります。フレッシュな豆乳も台湾らしいです。

往路の夜に利用した際には焼き芋がありました。黄色でねっとり、何よりアツアツでおいしかったです。復路は朝に立ち寄り、中華粥に好きなトッピングをたっぷり載せていただきました。食べ終わった皿はスタッフが片づけてくれます。

中英表記を楽しもう

ラウンジは中英表記です。台湾は日本の旧字体とほぼ同じ「繁体字」表記なので、字面から想像できるうえ、英語で答え合わせをするのも楽しいです。「ザ・スター」で見かけた料理名を挙げると…。

• 素和風芝麻油醋＝和風ごまドレッシング（「素」はベジタリアン）
• 黄豆粉核桃＝きなことクルミ（入りパン）
• 三明治＝サンドイッチ
• 南瓜濃湯＝かぼちゃポタージュ
• 紅豆桂圓紫米粥＝あずきとリュウガン（竜眼）入り紫米おかゆ

シャワー室の利用は受付で

受付で使用したい旨を告げると、ページャー（呼び出しベル）を渡してくれました。「トイレのないシャワー室でもよいか」と訊かれます。そちらのほうが空きが早いとのことなのでトイレなしにしました。呼び出しがあるとカギを受け取って使用します。

シャンプーなどはロクシタンです。ハンドシャワーもありました。洗浄便座の表記が中国語で分かりやすかったです。

朝ピーク、夜は余裕

往路・復路と乗り継ぐ間に2回、利用しました。往路は福岡から台北に22時ごろ着き、23時台の台北～ウィーン便に搭乗する前で、ラウンジも空港そのものも空いていました。復路はミュンヘンから7時半ごろ到着し、8時台の福岡便に乗り継ぐ間です。朝の時間帯はピークのようで、出国エリアは大混雑でした。ラウンジも混んでいたものの、座れないほどではありませんでした。レストランや免税店は行列だったので、直前までラウンジで過ごせると快適です。

「ザ・インフィニティ」と「ザ・スター」選べるならどっち

前回は「ザ・スター」の並びにある「ザ・インフィニティ」を利用しました。たとえばスターアライアンス上級会員がスターアライアンス加盟各社のビジネスクラスで旅行する場合、両方が使えることになります。どちらを選んだらよいかは甲乙つけがたいですが、ゆったりと過ごしたい旅行者は「ザ・インフィニティ」、ビジネスパーソンにはオンとオフどちらでもフィットする「ザ・スター」、でしょうか。「ザ・インフィニティ」にはビジネスセンターがあり、「ザ・スター」にはリクライニングチェアがあるので、その時の気分や旅の目的によって使い分けできるのもうれしいですね。