パリ右岸のレアール周辺で2026年4-5月、訪ねた料理店3軒を紹介します。レアール(Les Halles)とはフランス語で「市場」の意味で、12世紀から1960年代までこの地に中央市場が存在しました。パリの胃袋を支えたパワーを感じながら、観光客でも飾らないフランス料理が楽しめます。(1ユーロ≒185円、2026年5月現在)
大バコの大衆食堂「ブイヨン」


1896年オープンの「ブイヨン」は庶民の味方です。「本日のお勧め」コースが今どき15ユーロとは。パリとしては破格で、懐かしい雰囲気もあいまって大人気です。予約はできないので行列を覚悟していたのですが、前を通ったら10人ほど並んでいただけでした。チャンス!と列に加わりました。午後7時25分に並び始め、ほどなく「何人?」と訊かれました。「2人」と答えるとグループ客を飛ばして先に案内され、待ったのは7、8分でした。

天井が高くアールヌーヴォー様式の装飾がゴージャスですが、とにかくにぎやかです。席が狭く相席になるので、なるべく荷物は持たないことをお勧めします。私たちは最初、隣がフランス人のカップルでした。2人とも巨大なモンブランをオーダーして食べていました。次はカナダ在住というトルコ人の男性2人が来ました。注文に20分以上、待たされていましたが「仕方ないね」と肩をすくめるだけで、楽しんでいるようでした。


席に着くと英語とフランス語のメニューが渡されましたが、店外で待っている間に見た「今日のメニュー(プラ・ド・ジュール)」に決めていました。根セロリのサラダ、ブフ・ブルギニオン(牛のブルゴーニュ風)、リ・オ・レで15ユーロです。


エスカルゴと鴨のコンフィ、プロフィトロールも注文しました。オーダーは紙のテーブルクロスに走り書きされます。
プロフィトロールはプチシューのチョコレートソースがけですが、どーんと1個、大きいシューが現れうれしすぎました。リ・オ・レは「ミルクがゆ」です。甘さに混じる米粒に対して長年「なぜ君がここに?」と思っていたのですがここのは違和感がなくて、苦手卒業です。


スタッフがそれぞれ個性的で、見ていて飽きません。グラスの赤ワインも頼み、2人で合計52.3ユーロでした。
入口の売店に皿やエプロンがあって欲しかったのですが無人で、大忙しの店内スタッフに声をかけるのも申し訳なく、次回への宿題になりました。
ブイヨン・シャルティエ(Bouillon Chartier Grands Boulevards)
住所:7 Rue du Faubourg Montmartre, 75009 Paris, フランス
営業時間:11:00-0:00(無休)
予約不可
公式サイト
フランス中部オーベルニュ料理「アンバサッド」

100年以上前は宿だった建物を利用して、1966年からビストロになりました。外から見ると白いテーブルクロスがかかっていたので、ウェブサイトから予約しました。

メインには大好物のリー・ド・ヴォー(仔牛の胸腺)を選びました。ほろほろした歯ごたえが何とも好きです。同行のパティシエールはマグレ・ド・カナール(鴨の胸肉)にしていました。

とはいえ、お目当ては付け合わせの「アリゴ」です。フランス中央部のオーベルニュ地方の名物です。フランス語でピュレ(英語でピューレ)といえばマッシュポテトを示すほど人気の副菜ですが、これに「トム」というチーズを入れるのだから、おいしいに決まっています。練りに練って、びよーんと伸ばしてくれます。
マルシェや屋台で食べたことはありますが、銅鍋からサービスされるのはまた格別でした。

デザートは小さなデザートが数種類楽しめる「グルマンド」にしました。グラスワインを頼み、2人で88.5ユーロでした。こちらは席が広く、ゆったりしていました。通りかかるたびに席が埋まっていたのでウェブサイトから予約しました。
アンバサッド・ドーヴェルニュ(Ambassade d’Auvergne)
住所:22 Rue du Grenier-Saint-Lazare, 75003 Paris, フランス
営業時間:12:00-14:00、19:00-22:30(火・水は22:00、日は21:30まで)
公式サイト
食材店併設の「ル・コントワール・ド・ラ・ガストロノミー」

かつて中央市場があったレアールから伸びるモンマルトル通りはいまなお、食関係の店が並んぶ通りです。鴨のマークが目印の「ル・コントワール・ド・ラ・ガストロノミー」も1894年、フォアグラの卸売から始まりました。コントワールとはカウンターの意味で、その名の通りカウンターがあります。フォアグラやパテなど、シャルキュトリー(肉加工品)のブティックに併設されています。

実際にカウンターでいただきました。メニューもクラシックです。私はマグレ・ド・カナール(鴨の胸肉)で、どーんとカットされないまま出て来ました。このサイズがうれしい。同行のパティシエールは牛ヒレにフォアグラと黒トリュフが載ったトルネード・ロッシーニです。こちらも大満足のようで、幸せをかみしめました。


おしまいにクレームブリュレでしめました。グラスワインを頼んで合計97.5ユーロでした。予約なしで入りました。

ル・コントワール・ド・ラ・ガストロノミー(Le Comptoir de la Gastronomie)
住所:34 Rue Montmartre, 75001 Paris, フランス
営業時間:12:00-23:00(日休)
公式サイト







