インド・ドイツをへてパリ在住。旅を愛する美容師に聞く海外生活

インド・ドイツをへてパリ在住。旅を愛する美容師に聞く海外生活
パリの美容院「ジャック・モワザン」で働く川平謙一さんⒸPen&Voyage
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ニューデリー、沖縄、デュッセルドルフ、そしてパリ。名古屋出身の美容師・川平謙一さんは文化が異なる土地に飛び込み、美容師としてのキャリアを築いてきました。「パリの美容師」というと華やかなイメージですが、ビザや価値観の違いといった壁があります。タフな現実に向き合いながら、かろやかに旅を続ける川平さんに、海外生活やパリの魅力などをインタビューしました。

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フランスへのあこがれ、9歳から

「毎日が楽しい」と話す川平さんⒸPen&Voyage
シャツはインドならではのブロックプリントⒸPen&Voyage

川平さんは2018年からインドに渡り、コロナ禍で帰国。沖縄をへてドイツ・デュッセルドルフで4年を過ごしました。2025年11月からパリ6区にある美容室「Jacques Moisant( ジャック・モアザン)」のスタイリストとして活躍しています。

ーー9歳のころ地理の授業で「好きな国を調べよう」という課題が出て、フランスにしました。「ワインがおいしい」とか、子どもだからよく知らないのに発表しました。美容師学校の研修ではロンドンとパリを訪ねました。どちらも古いものを生かす文化があってひかれましたが、より自分の原点に近いパリに20代、ワーキングホリデー制度を利用して滞在しました。

30代でインドの首都ニューデリー、そして沖縄へ。

ーーローカルと日系の美容院に勤めました。住んでいたのもローカルなエリアで、コロナ禍ではインドの友人と励ましあって過ごしました。2020年に帰国してから、友人に誘われていた沖縄に移りました。のんびりしていて楽しかったんですが、まだ挑戦したくて。もともとあこがれていたヨーロッパに戻らなきゃ、と思っていました。

2022年からデュッセルドルフをへて2025年、再びパリに移ったんですね。

ーードイツの労働ビザが4年ポンッと取れて、もう行くしかないと(笑)。日系の美容院でしたがお客様は日本人に限らず、日本に興味のある外国人やドイツ人も来ていました。居心地はよかったですがビザが切れるタイミングで、パリ移住にトライしました。ドイツとは違い、ビザの取得は大変でした。でもいま、40代になって見える景色は20代のワーホリ時代とは違います。言葉ができるようになったし、インドやドイツでキャリアを積んだおかげで、初対面でも話の引き出しが増えたなと感じます。「美容師をやっていてよかったな」と毎日、思います。

髪質もリクエストも4か国4様

セーヌ通りはサンジェルマン・デプレ地区にあるⒸPen&Voyage
サロンはセーヌ左岸サンジェルマン・デプレ地区にあるⒸPen&Voyage

インド、ドイツ、フランス、日本で髪質やリクエストは違いますか。

ーー全然違いますよ。お客様のいでたちで想像はつきますが、最初のカウンセリングで両親がどのあたりの出身かは聞きますね。例えば一般的にスラブ系は髪が細いし、ラテン系は焦げ茶でちょっとカーリーで、アーリア系は太くてカーリーが強い。アジア系も東南アジアと日本、中国でも違います。「髪質の読解力」は上がりましたね。

フランスのお客様は自分のアイデンティティが確立していて、好みがはっきりしています。日本の方は流行の芸能人の髪型をリクエストされますね。ドイツの方は「〇カ月前に切ったからその状態に戻して」というのが多かったですね。インドの女性は「長い髪=美しい」という価値観です。切りたいけど切りたくないっていう(笑)。前髪はないのが基本ですが、近ごろは世界的に流行しているカーテンバングス(長めの前髪スタイル)はOKという人もいました。

パリで髪は毎日洗わないで

セーヌ通りのサロン前でⒸPen&Voyage
セーヌ通りのサロン前でⒸPen&Voyage

パリでのヘアケアで気をつけたいことは。

ーー硬水で石灰質(カルキ)が強いので、乾燥させないためにもシャンプー後はしっかり流したほうがいいですね。あと、洗いすぎない。毎日洗わないほうがいいです。必要な脂分がなくなってしまいます。ちなみにデュッセルドルフは「超硬水」で、パリはまだマシだと思います。

旅行者へのお勧めケアケアは。

ーー美容師としてはサロンの「MILBON」をお勧めします。日本のブランドですが硬水で暮らすアジア人向けの商品です。日本からシャンプーを持って来た人が「泡立ちがよくない」と言われますが、日本の軟水用のシャンプーを硬水で使っても、あまり泡立ちません。現地調達が一番、いいですね。スーパーやドラッグストアで買う場合、シャンプーとリンスが1本になった2in1は避けたほうがいいですね。

サロンお勧めのヘアケア「MILBON」ⒸPen&Voyage
サロンお勧めのヘアケア「MILBON」ⒸPen&Voyage

休日は何をしていますか。

ーー1日中部屋にいるとおかしくなるタイプなので(笑)、旅行しています。ヨーロッパに住んでいると、どこも行きやすいじゃないですか。古巣のデュッセルドルフへ往復70ユーロのバスで行ったり、パリ近郊で世界遺産のあるプロヴァンに日帰りしたり。モネが暮らしたジヴェルニーも、パリから1時間ぐらいで行けます。いつもバッグ1個で旅していて、今度はイタリアのコモ湖へ行こうと計画しています。

旅行者にアドバイスを。

ーーお店に黙って入って黙って出ていくのではなく、「ボンジュール」を言うだけでも印象が変わります。

パリにずっといたいですか。

ーーそうですね、ゆくゆくは小さなサロンを持って…。パリなら縛られてもいいな、なんて今は思っています。

Jacques Moisant Paris (ジャック・モワザン・パリ)

住所:93 Rue de Seine, 75006 Paris, フランス
営業時間:10:30-19:00(日月休)
公式サイト

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