台湾経由で欧州へ。2024年、ヨーロッパでのスポーツ取材に複数回、出向くにあたり、様々なエアラインを総合的に比較検討した結果、私たちは最終的に「エバー航空」を選択しました。乗り継ぎの利便性、経由地の魅力、コストパフォーマンス、そして何より安心安全。エバー航空は、1989年の設立以来、死亡事故などの重大な事故を一度も起こしていないエアラインです。英国のSKYTRAX(スカイトラックス)社の格付けで最高評価の五つ星を獲得している航空会社でもあります。2024年2月には取材の旅の第1弾として、成田空港出発、台北・桃園(タォユェン)国際空港で乗り継ぎ、ミラノ・マルペンサ空港着でイタリア入りしました。今回はロイヤルローレルクラス(ビジネスクラス)での快適な機内をリポートします。
搭乗便(2024年2月26-27日)
BR183 成田発(ターミナル1)13:00 ⇒台北・桃園 16:05(時差-1時間)ターミナル2
Boeing 787-10
BR095 台北・桃園23:05(ターミナル2)発⇒ミラノ・マルペンサ07:15(時差-7時間、+1日)ターミナル1
Boeing 787-9
Boeing 787-10
成田=台北は1日3便、台北=ミラノは週4日就航
エバー航空の成田=台北・桃園便は1日3便の運航です。
便名 | 成田⇒台北・桃園スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR183 | 成田(NRT)13:25⇒台北(TPE)16:05 | 毎日 | 3時間40分 |
BR197 | 成田(NRT)14:25⇒台北(TPE)17:05 | 毎日 | 3時間40分 |
BR195 | 成田(NRT)20:40⇒台北(TPE)23:20 | 毎日 | 3時間40分 |
便名 | 台北・桃園⇒成田スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR184 | 台北(TPE)07:55⇒成田(NRT)12:25 | 毎日 | 3時間30分 |
BR198 | 台北(TPE)09:00⇒成田(NRT)13:25 | 毎日 | 3時間25分 |
BR196 | 台北(TPE)15:20⇒成田(NRT)19:40 | 毎日 | 3時間20分 |
台北・桃園(TPE)からミラノ・マルペンサ(MXP)へは週4日、直行便が飛んでいます。ミラノからの戻りは通常、偏西風に乗って往路より1~2時間ほど短くなります。
便名 | スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR95 | 台北(TPE)23:25⇒ミラノ(MXP)07:40(+1日) | 月・火・木・土 | 14h15m |
BR96 | ミラノ(MXP)11:15⇒台北(TPE)06:05(+1日) | 火・水・金・日 | 12h50m |
喫煙がまん。15時間フライトもストレスなし
お恥ずかしい話ですが、私は喫煙者です。しかも、今となっては時代遅れの、紙たばこのヘビースモーカーなのです。私にとって飛行機での長時間移動は「忍耐」でしかありません。吸えないイライラをどれだけ自制できるか。ぐっすり眠ったり、何かに集中したりすることで気を紛らわし、ただただ目的地までの時間の経過をひたすら耐えるしかないのです。
成田ー台北・桃園の4時間5分のフライト。さらに、台北・桃園ーミラノ・マルペンサへの15時間10分の長距離フライト。搭乗前は憂うつでした。特に、台湾からミラノへは半日以上の時間がかかるため、私はある程度のストレスやイライラ、手持ちぶさたな時間を覚悟していました。
ところが不思議です。私はあっさり耐えられました。エバー航空の充実した機内の環境と、クルーのみなさんのサービスのおかげでほとんど苦痛を感じることなく、目的地にたどり着くことができました。ビジネスクラスにあたる「ロイヤルローレルクラス」を利用する高揚感、おいしい料理とお酒、そしてフルフラットになるシートで安眠できたことが「勝因」です。
全長2メートルのフルフラットベッドに
ロイヤルローレルクラスの座席は高級感のあるレザーでできていて、シート脇のボタンか、リモコンのようなコントローラーのいずれかのボタンを押すと全長2メートルのフルフラットベッドに早変わりします。シートにはマッサージ機能もついていました。幅も十分で身長175cm、体重65キロの私でも寝返りが打てます。隣の席とはスライド式の間仕切りもあり、完全なプライベート空間が手に入ります。ほぼ個室です。寝心地はビジネスホテルのシングルベッドと遜色ありません。
クルーの足音、ノイズキャンセリング機能がシャットアウト
私が台北―ミラノ便でアサインされた「1A」の座席は、キャビンクルーが配膳の準備をするギャレーの近くで、クルーが脇を頻繁に行き来する座席。眠りかけたとき、最初はクルーのパンプスの「コツコツ」という足音が気になりました。そこで妙案が。座席には備え付けのヘッドホンがあるじゃないですか。それを、耳栓代わりにしました。ノイズキャンセリング機能が付いていて、映画や音楽を聴く時に便利なだけでなく、睡眠時に利用すれば機内のノイズをほぼ完全にシャットアウトできます。
ひとり一人にパジャマ
ロイヤルローレルクラスには暖かく柔らかい素材の上下セットのパジャマが提供されます。まるで自宅にいる時のようにくつろげる着心地で、これはかなりうれしいサービスでした。さらに、照明が落ちると機内の天井にはまるでプラネタリウムのようなムード照明が。ボーイング787で世界で初めてエバー航空が採用したそうで、ブルーライトと満点の夜空が深い眠りへと誘ってくれました。
抜群においしい機内食とお酒
忘れてはいけない安眠へのプレリュードが、コースで提供されるおいしい機内食とお酒でした。シャンパンをゴクッ。キリン一番搾りをグビッ。日本酒をちびり。桃園空港のエバー航空ラウンジ「ザ・インフィニティ」でお腹は満たしたはずなのに、これだけおいしくて温かい料理が空の上で提供されるなんてテンションが上がります。メニューは事前にインターネットで「西洋料理」のメニューを選んでいましたが、成田ー台北、台北―ミラノとも大満足のクオリティでした。お酒も進み、ほろ酔い状態。お腹も心も満たされて、あ〜シアワセ。どおりでぐっすり眠れるわけです。
目覚めたら目的地
キャビンクルーの方が食後にミントやアメをさりげなく持ってきてくださったのも、うれしい心遣いでした。食べて飲んで、ぐっすり安眠。目覚めたらそこは目的地。大げさではなく、エバー航空のロイヤルローレルクラスの旅はそんなフライトでした。機体の揺れも長時間フライトのストレスもほとんど感じることがない、快適そのものの旅でした。ミラノ着は現地の早朝6時で、到着直後からパワー全開です。その日の昼にはミラノ冬季五輪の選手村建設地を歩き、夕方にはミラノ郊外・モンツァへ移動、夜にはバレーボールセリエAを取材、と1日中フル稼働できました。
成田国際空港 東京都心の東約60km、千葉県成田市にある日本最大の国際空港。第1ターミナルはANA、エバー、シンガポール、ユナイテッド、大韓航空、第2ターミナルはJAL、チャイナエアライン、マレーシア、キャセイパシフィック、第3ターミナルはジェットスター、スプリングジャパンなどLCCが離発着する。空港コードはNRT。空港と都心は鉄道(京成スカイライナー/JR成田エキスプレス)やリムジンバスなどが結ぶ。
台湾桃園国際空港 台北の西40㎞、桃園(Taoyuan、タォユェン)にある台湾最大の国際空港。第1ターミナルはピーチ、ジェットスター、タイガーエア台湾、スターラックスなど、第2ターミナルはエバー、JAL、ANA、スターフライヤーなどが離発着する。7~24時間の乗り継ぎ客のために、空港発着の無料観光ツアーも。第3ターミナルは2026年開業予定。空港コードはTPE。
ミラノ・マルペンサ[Malpensa]空港 ミラノの北東約50kmにある北イタリア最大の国際空港。メーンは第1ターミナルで、エバー、ルフトハンザ、エールフランス、エアチャイナ、エミレーツなどほとんどの国際線が離発着する。第2ターミナルは主にイージージェットが利用。日本からの直行便はない。空港コードはMXP。空港とミラノ中心部は、鉄道(マルペンサ・エクスプレス)とリムジンバスが結ぶ。
エバー航空概要
エバー航空は1989年に台湾初の民間国際航空会社として設立されました。エバーグリーングループの一員であり、コンテナ輸送の世界的リーダーであるエバーグリーンラインの姉妹会社です。80機以上のボーイングおよびエアバス機を保有し、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、そしてシカゴ、ヒューストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、トロント、バンクーバーをゲートウェイとする北米の世界60以上の都市に就航しております。エバー航空の就航都市、運航スケジュール、その他サービスに関する詳細や航空券の予約・購入は、公式サイトをご覧ください。