ドイツ・ミュンヘンで2024年4月、老舗カフェ2店を訪ねたので紹介します。ひとつは1825年創業のクロイツカム、もうひとつは1700年創業の「ダルマイヤー」です。どちらもミュンヘンのシンボルである旧市街・マリエン広場に近く、観光客でも入りやすいです。優雅なひとときをどうぞ。
ミュンヘン・マリエン広場とは
マリエン広場(Marienplatz)は12世紀からミュンヘンの中心です。まず目に入るのが新市庁舎(Neues Rathaus)で、1867年-1908年に建てられました。中央の塔にあるからくり時計は11時、12時、17時(3-10月)に動きます。広場の南にある聖ぺーター教会(Peterskirche)は、11世紀にはすでに存在していたそうです。14世紀に建てられた旧市庁舎は聖ぺーター教会の向かいに立ちます。
1468年着工のフラウエン教会(Frauenkirche)は、ミュンヘン中心部では一番高い建物で、塔の高さは100mほどになります。こうしてみると「新市庁舎」がなぜ「新」なのか、意味が分かります。
クロイツカム・カフェ(Conditorei Café Kreutzkamm)
クロイツカム(Kreutzkamm)は1825年、ドイツ東部のドレスデン発祥の菓子店で、バウムクーヘンで知られています。第2次大戦後にドレスデンが東ドイツ側になり、ミュンヘンに拠点を移したそうです。ベルリンの壁が崩壊した後は創業地に再び店を開き、現在はドレスデンとミュンヘンに店があります。
ミュンヘンにはパツェリ通り(Pacellistraße)にもカフェがありますが、旧市街の中心・マリエン広場により近いマッファイ通り(Maffeistrstraße)の店に入りました。
ショーケースに並ぶクッキーやケーキはクラシックで、いい味を出しています。どれにしようか眺めながら通り過ぎると奥にカフェ席があります。そう広くはありませんが、年配客がゆったりと過ごしていました。
注文をすると、スタッフが「かしこまりました」と丁寧な日本語で応対してくれました。ケーキはショーケースから選びました。もちろんバウムクーヘン・トルテ(Baumkuchen-Torte)を選びました。6.3ユーロ。中心にバウムクーヘンがちりばめられていて、キルシュも香ります。日本のバウムは独自の進化を遂げてふんわり系も多いのですが、中力粉でつくられたらしい、かっちりみっちりした味わいです。フォンダン(砂糖衣)も、しっかり厚めでおいしいです。アールグレーを頼むと、ダルマイヤーのティーバッグでした。ティーバッグをのせる皿を、ガラスのカップの上に載せて来てくれました。蒸らすためのフタも兼ねていてさすがドイツ、合理的ですね。3.5ユーロ。コーヒーはエスプレッソで4.4ユーロでした。バウムとアールグレー、エスプレッソで14.2ユーロでした。
カフェ クロイツカム マッファイ通り店(Conditorei Café Kreutzkamm Maffeistr.)
住所:Maffeistraße 4, 80333 München, ドイツ
営業時間:8:00-18:00(月-金)、10:00-18:00(土)、日祝休
カフェ・ビストロ ダルマイヤー
ミュンヘン発祥の高級食材店ダルマイヤーは1700年、創業した雑貨店がルーツです。19世紀にはヨーロッパの王室御用達となり、いまでは日本のデパ地下にも進出しています。本店はやはりマリエン広場に近く、徒歩5分ほどです。
ウィーンにあるシェーンブルン宮殿のような黄色のファザードで、風格を漂わせています。扉を開けるとハムやソーセージ、美しいそうざいが並べられ、目がくぎづけです。
階段を上がった2階がカフェ・ビストロになっています。私たちが訪ねたのは午後4時過ぎという中途半端な時間でしたが、ほぼ満席でした。ケーキのショーケースが入口にあって選べます。私はもちろん、ドイツ圏のアップルパイ「アプフェル・シュトゥルーデル」にしました。8.5ユーロ。ちょっとぜいたくに、ヴァニラアイスとカスタードソースを添えてもらいました。すごいのがヴァニラビーンズの量で、黒いツブツブが惜しみなく使われています。ちょこんと乗ったほおずきもかわいい。大満足です。もうひとつはケーク・オ・ショコラで、かなり大きく、濃厚でした。4.9ユーロ。
コーヒーはシングルオリジンだと8.5ユーロですが、代表的なブレンド・プロドモ(Prodomo)だとカップで3.8ユーロで、優雅なひとときを過ごせます。カフェオレとプロドモ、ケーキ2点で22.1ユーロ、日本円にして3,751円でした。
カフェ・ビストロ ダルマイヤー(Café-Bistro Dallmayr)
住所:Dienerstraße 14-15, 80331 München, ドイツ
営業時間:9:30-18:00(月-土)日祝休
ミュンヘンへはエバー航空で
台湾大手のエバー航空は週4日、台北~ミュンヘン間を運航しています。日本には9空港に乗り入れており、欧州行きには台北乗り継ぎが安心・安全で便利です。
便名 | スケジュール | 運航 | 所要時間 |
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BR71 | 台北(TPE)23:25⇒ミュンヘン(MUC)07:20(+1日) | 月・水・金・日 | 13h55m |
BR72 | ミュンヘン(MUC)12:00⇒台北(TPE)06:35(+1日) | 月・火・木・土 | 12h35m |
取材協力・エバー航空
台湾大手のフルサービスエアライン。海運会社を基盤に1989年、台湾初の民間国際航空会社として設立された。2024年3月現在で世界60都市以上に就航する。航空業界の格付け会社スカイトラックス(本社・ロンドン)が認定する「世界の5つ星航空会社」10社のうちの1社で、2024年にも9年連続で選ばれた。日本路線は2024年12月、就航30周年を迎える。2024年3月現在、札幌・仙台・成田・羽田・小松・関空・松山・福岡・沖縄の9空港に就航。2レターコードはBR。英語では「イー・ヴィ・エー(EVA)」と発音される。航空連合スターアライアンスの一員。