【ラトビア】首都リーガのクリスマスマーケット。「ツリー発祥地」でホリデー気分

ラトビアの首都リーガ旧市街で毎年開かれるクリスマスマーケット
ラトビアの首都リーガ旧市街で毎年開かれるクリスマスマーケット@Pen&Voyage
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バルト海に面した小さな国・ラトビアを2025年12月、旅しました。大国のはざまで揺れつつも、紡がれてきたあたたかな手仕事や暮らしをかいま見ました。この記事では首都リーガで開かれる欧州の冬の風物詩・クリスマスマーケットを紹介します。有名なドイツやフランスのそれに隠れているようで、しっかりとチャーミングな輝きを放っていました。

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中世の面影残す旧市街

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ブラックヘッド会館前
未婚の貿易商のサロンだったブラックヘッド会館。14世紀に建てられたが、1990年代に再建された@Pen&Voyage
本物のツリーの裏にあるツリー発祥のモニュメント
本物のツリーの裏にあるツリー発祥のモニュメント@Pen&Voyage
リーガに初めてクリスマスツリーが登場したのは1510年@Pen&Voyage

まずはリーガ旧市街にあるクリスマスツリーと記念撮影です。リーガは「公共での初のクリスマスツリー」を名乗っていて、小さな記念碑がクリスマスマーケットから歩いて5分のブラックヘッド会館前にあります。きらきらと黄色の電飾がまばゆい本物のツリーの後ろ、ひっそりと発祥の地を主張しています。「リーガに初めてクリスマスツリーが登場したのは1510年」と、日本語でも刻まれています。

公認ガイドのヤーニス・リエクスティンシュ(Jānis Riekstiņš)さんは「(エストニアの首都)タリンも世界初のクリスマスツリーを主張していますが、私たちには証拠があります。だからリーガこそが世界初、装飾されたクリスマスツリー発祥地です」と自信満々に話していました。

さっそく細い石畳の通りを抜け、大聖堂広場のマーケットに向かいましょう。クリスマスソングがやさしく聞こえてきました。

アーチをくぐってマーケット内に@Pen&Voyage

アーチをくぐってマーケット内に@Pen&Voyage

ゆっくり回れる90店

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1211年に建てられたリーガ大聖堂(左)広場がマーケット会場@Pen&Voyage
ラトビア特産のニット製品や琥珀のアクセサリー@Pen&Voyage
クリスマスの定番・ジンジャーブレッドの店も@Pen&Voyage
レトロなメリーゴーランドも@Pen&Voyage

午後6時、緑のアーチをくぐりました。もう真っ暗で、クリスマスマーケットのある一角だけが闇に浮かびあがっています。ここにも立派なツリーがありますが、飾りがラトビア伝統の五角形ミトンなのが愛らしいです。

白い湯気が寸胴鍋から立ちのぼっています。ホットワイン(英語でmulled wine=マルドワイン)の店が並んでいますが、ノンアルコールもあります。焚き火に鍋をつるして温めている店もあり、おいしそうです。ニット帽をかぶった家族連れやカップルが手袋をしたまま、湯気の立ったカップを口にしています。山小屋のような店は90店ほど軒を連ねています。

クリスマスマーケットは2000年から始まったといいます。「フード&ドリンク」「クラフト」「ラトビアの味」の3カテゴリーがあります。クラフトはラトビアを代表する琥珀のアクセサリーや毛糸の手袋、木のおもちゃや編みカゴ、木製のスプーンやプレートなどのキッチンツールがありました。ラトビア民謡や踊りなどイベントも週末にはあるようです。

目についたのはやはり温かい飲み物のお店です。「どれがおいしいかな…」と、あれこれ迷っても大丈夫。オーバーツーリズムとは無縁なので、ゆっくり選ぶこともできます。私たちはガイドのヤーニスさんが下調べしてくれた、お勧めの店を回りました。

BGMは後から追加したものではなく、撮影時に現地で流れていた実際の音をそのまま使用しています@Pen&Voyage

あたたかくてフルーティ

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ラトビア名物「リーガ ブラック バルサム」の店@Pen&Voyage
ラトビア名物「リーガ ブラック バルサム」の店@Pen&Voyage
ガイドのヤニスさん(左)のお勧め2種を味わった@Pen&Voyage
ガイドのヤーニス・リエクスティンシュさん(左)のお勧め2種を味わった@Pen&Voyage
Lauskis Winery and Cideryの店で@Pen&Voyage
Lauskis Winery and Cideryの店で@Pen&Voyage

醸造所が多く出店していますが、共通のカップを2ユーロで買うと、どこの店でも使い回せます。帰りに回収ブースに持っていけば、2ユーロも返金される仕組みです。

まずはメリーゴーランドを眺めながら、ラトビア伝統のリキュール「Riga Black Balsam(リーガ ブラック バルザム)」の店です。渡されたのはノンアルコール飲料で、オレンジ色の小さな実であるシーバックソーン味(4ユーロ)でした。「ビタミンが豊富で、バルト三国を代表する飲み物です」とはヤーニスさんの言です。下戸の私もこれなら口にできます。温かいカップを口に運ぶと、なぜか飲み始めはみそ汁のような味が…。慣れるとフルーティで、まろやかです。

2軒目は「Lauskis Winery and Cidery(ラウスキス・ワイナリー&サイダリー)」。リンゴやルバーブ、カシスといった果実ワインの作り手です。3つ目はまた最初の「ブラック バルサム」へ。アルコール分45%のリキュールをジュースで割ったホットドリンクを楽しみました。

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黒いカップはデポジットとして2ユーロ@Pen&Voyage
黒いカップはデポジットとして2ユーロ@Pen&Voyage
カップの仕組みを案内する掲示板。ラトビア語・英語併記@Pen&Voyage
カップの仕組みを案内する掲示板。ラトビア語・英語併記@Pen&Voyage
返却ブースに持っていくと2ユーロが戻ってくる@Pen&Voyage
返却ブースに持っていくと2ユーロが戻ってくる@Pen&Voyage

トイレはメリーゴーランド近く

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トイレを示す小さな看板@Pen&Voyage
トイレを示す小さな看板@Pen&Voyage
ぐるっと裏に回るとトイレが@Pen&Voyage
ぐるっと裏に回るとトイレが@Pen&Voyage
会場の地図。メリーゴーランドの脇を裏に入るとトイレがある@Pen&Voyage
会場の地図。メリーゴーランドの脇を裏に入るとトイレがある@Pen&Voyage

私たちが訪ねたのは2025年12月上旬で雪はなく、気温は7℃ほど。それほど寒くはなかったのですが風があり、雨も降ったりやんだりでした。人込みが少ないとはいえ傘をさすのは難しいので、レインコートがあるといいでしょう。靴は石畳や雪で転ばないよう、すべり止めのある靴をお勧めします。

トイレはメリーゴーランドと前述の「ブラック バルサム」の間を抜けた裏にありました。キョロキョロ探していたら「あっちだよ」と、近くのスタッフが教えてくれました。

店によっては現金でしか支払えません。ユーロ札を何枚か用意しておくとやはり安心です。会場にあった案内図はラトビア語・英語表記でしたし、若い人ならほぼ英語が通じます。

世界最古のツリーのおひざ元で、あたたかいホリデー気分が味わえました。(取材協力:ラトビア投資開発公社<LIAA>観光部LOTポーランド航空

ラトビア バルト三国の中央に位置する。人口180万人。面積は約6.5万km²で、九州と四国を足したぐらい。国土の半分が森林。1991年にソ連から独立を回復。公用語はラトビア語。通貨はユーロ。
「バルト海の真珠」と呼ばれる首都リーガは13世紀からハンザ同盟に加盟し、バルト海交易の拠点として栄えた。ドイツ商人らの営みを今に伝える街並みは「リーガ歴史地区」として1997年、ユネスコ世界遺産に登録された。北緯57度はモスクワや米アラスカ州南部と同程度。人口は60万人ほどで、バルト三国では最大。

リーガ旧市街・クリスマスマーケット

住所:Doma laukums, Centra rajons, Rīga, LV-1050 ラトビア
入場:無料
営業期間:2025年11月28日(金)-2026年1月4日(日)
営業時間:11:00-21:00(月-木)、10:00-22:00(金・土)、10:00~20:00(日)
祝日営業:12月24日-26日 10:00~20:00、12月31日 10:00~02:00、1月1日 12:00~20:00
公式サイト:https://vzt.lv/en/

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