ハンガリー第2の都市デブレツェン(Debrecen)で2024年4月、食べたものを紹介します。人口20万人ほど、落ち着いた明るい街にはレストランやカフェもたくさんあります。スポーツ取材の合間に街の中心部を歩いて回り「おいしそう」「ここ、いいかも」と思った店に入りました。名物のグヤーシュとフォアグラ、そして素敵なコーヒーチェーンがありました。(2024年4月現在、1フォリント≒0.44円)
デブレツェン:ハンガリー第2の都市
デブレツェンを訪ねたのは、ハンドボール女子日本代表がパリ五輪をかけて戦う最終予選の取材のためでした。宿泊先は試合会場のフォニックス・ホール(Főnix Hall)まで歩いて5分の大学キャンパス内で、周囲には何もありません。お昼にはトラムで15分ほどの中心部に出ました。入った店は街のシンボル・改革派(カルヴァン派)大教会からどこも歩いて5分ほどです。それにしてもデリバリーのWoltをしょっちゅう見かけました。
ハンガリー料理といえば、パプリカをたっぷり使ったスープ・グヤーシュがすぐ頭に浮かびました。グヤーシュは「牛飼い」の意味で、彼らが旅の途上でつくっていた料理です。あとはフォアグラです。フランス産よりもお手ごろなはずですが、私が行くようなカジュアルな店でもお目にかかれるものでしょうか。ハンガリーの国宝・マンガリッツァ豚も有名ですが、これも輸出メーンと聞くので、どうかな…といった程度の前知識でした。”Étterem”(エテレム)がハンガリー語でレストランの意味です。
まずはスープ・グヤーシュ
黄色いファザード、ローソクがともるポットの看板が「いいかも」と入ったのが「レスコント(Reskontó Étterem)」です。右手の階段はビストロとあり、セルフのカフェテリア方式です。左手の「レストラン」と書かれた階段を昇りました。英語メニューもありました。
グヤーシュは英語メニューでは「アルフォルドスタイル・ビーフグヤーシュ”Alföld-style beef goulash”」とありました。アルフォルドはハンガリー大平原の別名だそうです。ハンガリーの大鍋「ボグラーチ」を模した器ででてきました。牛飼いたちの調理道具で、いまでも愛され、野外の煮炊きに使われているそうです。サラッとしていて、確かにスープです。しっかりお肉の味がして気に入りました。ウィーンからの車窓に映る大平原を思い出しました。
あとは、フォアグラとタマネギのコンフィ、ガーリック味のポークロースト、水とビールで18,402フォリント(8,096円)でした。ポテトがカリカリでした。ラードで揚げてあるのでしょうか、うまみたっぷりでおいしかったです。階下の中庭にテラス席があって、食後のコーヒーはそちらに移動しました。さわやかな青空にも恵まれて最高でした。
レスコント(Reskontó Étterem)
住所:Debrecen, Péterfia u. 34, 4026 ハンガリー
ちょっとモダン、地元の人に人気「チョコナイ」
デブレツェン出身の偉大な詩人の名を冠した「チョコナイ」(Csokonai Étterem)は、その名に反して?モダンなしつらいでした。入口に段差があり、つまづいて転びました。ちょうど週末だったので、家族会なのか団体客でにぎわっていました。
ここでもグヤーシュ、フォアグラ、豚を頼みました。グヤーシュにはサワークリームがのっていて、ちょっととろみがあって、少しシチュー寄りでした。フォアグラはツナサンドか!という盛りのよさで、パンにのせていただきました。豚はそれなりに分厚く、もはや「とんかつ」的なフライドポーク、リンゴのコンフィ添えです。お料理はどれもおいしかったのですが、地下の店だったので、食後のコーヒーはカフェで仕切り直しとなりました。ビールはハンガリー定番のショプロニ(Soproni)です。合計18,930フォリントでした。
チョコナイ(Csokonai Étterem)
住所:Debrecen, Kossuth u. 21, 4024 ハンガリー
ベルギー料理店でもグヤーシュ
大教会から伸びるピアツ(Piac u.)通りに面した店で、日曜日も営業していたのが、その名も「ベルギーレストラン&パブ」(Belga Étterem és Söröző)でした。テラス席にいたら取材で一緒になった邦人記者が「あ!こんにちは」と通って行きました(それぐらいこじんまりした街)。ベルギーの白ビール・ヒューガルデンを頼みました。
バーガーやパスタもありましたがグヤーシュも当然あって、この壺入りがかわいいです。後から来たお客さんには赤い小さな台車に乗せてサーブしていましたが、私たちにはなく残念でした。スープなのでサラッとしていますが上面を覆う脂のおかげで、湯気が立っていません。パンがすすみます。お肉や角切りジャガイモに交じって入っているのは「タルホニヤ」という小さいパスタです。ドイツ料理の付け合わせ「シュペッツェレ」にも似ているなと思いました。
フォアグラは最後に焼いたやつが食べたい!と奮発、牛ほほ肉ステーキの上にのっかってきました。ほほ肉が本当にほろほろ、ジャガイモがホクホク、カリカリでした。パスタのアーリオオーリオは生パスタでしたが、ちょっとイメージとは違う気が…。が、これもよしとしましょう。牛ほほ肉とフォアグラのおかげで、27,597フォリント(12,035円、サービス料込み)でした。
ベルガ(Belga Étterem és Söröző)
住所:Debrecen, Piac u. 29, 4025 ハンガリー
ハンガリーが誇るカフェチェーン「カフェ・フレイ」
カフェ・フレイ(Cafe Frei)は「ハンガリーのコーヒー文化を変えた」といわれるチェーン系カフェで、6カ国で60店舗を展開しています。「旅」がコンセプトの中心で、世界中の街の名前がついたコーヒーやドリンクが味わえます。色鮮やかなデザインでかっこいいのですが、トレイはシルバーなのはクラシックでいいですね。とにかくメニューが多くて、オペレーションが心配になるほどです。
デブレツェンにはモール内の書店に1店、中央広場(Főtér)に1店あり、後者に2回、行きました。アイスカプチーノ、パリジェンヌ風プラリネラテはいずれも1,290フォリントでした。期間限定「今月のアドベンチャー・コーヒー」はアマルフィ・ミオ(Amalfi Mio)でした。南イタリア・アマルフィのイメージで、レモン風味のアーモンドラテです。1,190フォリント。アメリカーノはお湯を入れて薄めます。750フォリント。
カフェ・フレイ デブレツェン中央広場店(CAFE FREI Debrecen Főtér)
住所:Debrecen, Rózsa u. 1, 4024 ハンガリー
デブレツェン(Debrecen) ハンガリーの首都ブダペストに次ぐ第2の都市。ハンガリー大平原の東部に位置し、ルーマニア国境まで30キロと近い。人口は約20万人。ブダペストからは特急(IC)で2時間20分、ウィーンからは5時間10分。3つの大学がある学研都市で、国立デブレツェン大学医学部には日本からの留学生も多い。多くの国際スポーツ大会が開催されており、2024年にはハンドボール女子、バスケ3人制のパリ五輪最終予選が開かれた。
中欧へはエバー航空で
台湾大手のエバー航空は、台北からウィーンへ毎日1往復(直行便週3日、バンコク経由週4日)運航しています。ウィーンからハンガリー・ブダペストへは鉄道で2時間20分、プラハやワルシャワへは空路で1時間ほど。中欧への拠点に便利です。
便名 | スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR65(直行便) | 台北(TPE)23:30⇒ウィーン(VIE)07:00(+1日) | 水・金・日 | 13h30m |
BR61(バンコク経由) | 台北(TPE)22:30⇒バンコク(BKK)01:10,バンコク(BKK)02:20⇒ウィーン(VIE)08:35(+1日) | 月・火・木・土 | 16h05m |
BR66(直行便) | ウィーン(VIE)12:30⇒台北(TPE)06:30(+1日) | 月・木・土 | 12h00m |
BR62(バンコク経由) | ウィーン(VIE)17:45⇒バンコク(BKK)09:25, バンコク(BKK)11:10⇒台北(TPE)16:05(+1日) | 火・水・金・日 | 16h20m |
取材協力・エバー航空
台湾大手のフルサービスエアライン。海運会社を基盤に1989年、台湾初の民間国際航空会社として設立された。2024年3月現在で世界60都市以上に就航する。航空業界の格付け会社スカイトラックス(本社・ロンドン)が認定する「世界の5つ星航空会社」10社のうちの1社で、2024年にも9年連続で選ばれた。日本路線は2024年12月、就航30周年を迎える。2024年3月現在、札幌・仙台・成田・羽田・小松・関空・松山・福岡・沖縄の9空港に就航。2レターコードはBR。英語では「イー・ヴィ・エー(EVA)」と発音される。航空連合スターアライアンスの一員。