台湾経由で欧州へ。私たちはパリ五輪などスポーツ取材のためにエアライン各社を比較・検討した結果、安全や利便性から台湾大手のエバー航空を選びました。今回は、ミュンヘン発台北・桃園(タォユェン)行きのビジネスクラス(ロイヤルローレルクラス)をレポートします。昼間のフライトでサービスを存分に楽しみました。(情報は2024年4月現在)
搭乗便(2024年4月18-19日)
BR072 ミュンヘン12:00(ターミナル2)⇒台北・桃園06:35(+1日)ターミナル2
Boeing 787-9
台北=ミュンヘン:直行が週4
便名 | スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR71 | 台北(TPE)23:25⇒ミュンヘン(MUC)07:20(+1日) | 月・水・金・日 | 13h55m |
BR72 | ミュンヘン(MUC)12:00⇒台北(TPE)06:35(+1日) | 月・火・木・土 | 12h35m |
今回は往路がオーストリア・ウィーン着、復路はドイツ・ミュンヘン発で、往路の到着地と復路の出発地が異なる「オープンジョー」の旅程でした。ウィーン~ミュンヘン間は鉄道で移動しました。
ミュンヘンから台北は12時間半
緑が広がるミュンヘン空港を飛び立つ前、おしぼりとウェルカムドリンク、仏ヴァローナ社のチョコレートがサービスされます。機内モニターをさわったり席のわきにある小さな扉を開けたり、わくわくする時間です。リクライニングのボタンを押したいところですが、離陸してシートベルトのサインが消えるまでは我慢です。
ジョルジオアルマーニのアメニティ、黒バージョン
アメニティは往路と同様、ジョルジオアルマーニのポーチ入りですが、デザインが違っていました。黒色で上部を開け閉めするタイプです。往路ではベージュで、カッチリしたタイプでした。中身は往復とも同じで、やわらかいアイマスク、耳栓、小物入れ、キーホルダー、スキンケアブランド”MALIN+GOETZ”(マリン・アンド・ゴッツ)のリップクリーム、ハンド/ボディローション(20%割引のコード付き)、フェイスミスト、ブラシです。
歯ブラシは環境に配慮して、純プラスチックから麦わら製に変更しているそうです。海外製だと日本人にとっては靴磨きか!と言いたくなる歯ブラシもありますが、もちろんそんなことはなく使いやすいです。
日本語が話せるCAさんが、アペリティフやメーンディッシュのオーダーを聞いてくれました。往路は牛肉麺や中華粥といった台湾料理を楽しみましたが、復路は名残を洋食メニューをオンラインでオーダーしていました。欧州発は西洋風のメニューのがいいかな、との読みもありました。
前菜はキャビア、メーンはラムチョップのグリル
シートベルトサインが消灯してから10分ほどで、サービスが始まりました。「プレリュード」としてローストビーフのラップロールにヤギのチーズ、ゴールデンビーツ添えです。ビーツはその名の通り鮮やかな色合いで、赤いビーツよりもクセがなく食べられました。
オードブルはロブスターとランプフィッシュのキャビア添えです。ロブスターはプリプリでゴージャスな気分でした。ロメインレタスとマッシュルーム、ディルがハート形!に盛られていました。豆のポタージュは春の味わいです。添えられたカリカリのプロシュートハムは塩けも食感も見た目も、よいアクセントでした。サラダは「ハニーマスタードかイタリアンドレッシング、どちらがいいですか?」と訊かれました。野菜たっぷりがうれしい栄養補給です。
メーンはラムチョップのタイム風味で、仏ローヌ産の赤ワイン(クローズ・エルミタージュ ドメーヌ・ド・タラベール2014)によく合いました。付け合わせはポレンタとイタリアのクレープ・クレスペッレ、ワイルドマッシュルーム入りです。ポレンタがこんなふうになるとは!ポレンタのザラッとした舌ざわりと、クレープのもっちりした食感が楽しめました。
「ゴトゴト」車輪の音は…デザートワゴン!
ゴトゴト…とゆっくりと車輪の音が聞こえてきました。デザートのワゴンサービスです。フレンチレストランのような特別感があって、思わず身を乗り出して何があるかチェックします。チーズもフルーツも一切れが日本ではありえない分厚さで、アイスクリームにケーキもあります。とりわけフルーツは大人気で、どんどん空っぽになっていました。隣の席の人もお皿に載るだけフルーツを盛ってもらっていました。私はコーヒーにあいそうな、ホワイトチョコレートとヴァニラのタルトにしました。期待通り濃厚で、まったりとしたおいしさでした。
スナックのパニーニもお皿とフォークで
食事が終わってしばらくすると照明が落とされました。離陸地のドイツ時間だと午後2時半ごろで、眠くはないのですがフルフラットシートにしたら、いつの間にか眠ってしまっていました。
「あと7時間」というタイミングで起き上がり、映画を観ていたら「スナックはいかが?」とCAさんが訊いてくれたので、パニーニをいただくことに。紙袋に入ったようなカジュアルなものを想像していたのですが、お皿とナイフとフォークでサーブされました。熱々でサラミとチェダーチーズ入り、おまけにちょっとしたサラダもついています。パニーニのほかには台湾式の牛肉麵、インスタントヌードル、ホットチョコレートとクッキーがありました。
朝食はフレンチトースト
着陸2時間前、朝食のサービスです。ヨーグルトはミューズリー入りなど数種類みせてくれて「どれがいいですか?」と選べました。フルーツたっぷりはエバー航空の隠れた特徴でしょう。
メーンは3択からフレンチトーストにしました。マスカルポーネチーズに、とろりと煮たアプリコットがたっぷり添えられていました。ベリー類が散らされているのも愛らしく、本当に2口ほどで平らげてしまいました。
エバー航空のつかず離れずのほどよい接客にやすらぎ、パジャマやアルマーニ、デザートワゴンといった「華」のあるサービスに心踊りました。メーンの食事も朝食も最低3種類からと選択肢が多く、野菜やフルーツたっぷりなのも印象的です。
台北の上空に近づいてきました。まだ日本ではないですが、戻ってきた安心感があります。旅の終わりは名残惜しいけれど、また新しい一歩を踏み出そう。すがすがしい気分で早朝、タラップを降りることができました。
ミュンヘン~台北 ロイヤルローレルクラスのサービス
シャンパーニュ/白ワイン(仏ボルドー産/仏アルザス産)/赤ワイン(仏ローヌ産/豪州産)/酒精強化ワイン(Fortified wine)/カクテル12種類/モクテル2種類/スピリッツ7種類/ビール4種類(金牌/バックスキン/ハイネケン/キリン)/ソフトドリンク/紅茶(TWG/トワイニング)/中国茶(王徳傳=ワン・デ・チュアン=)4種類/ハーブティー3種類/日本茶3種類
パジャマ(M/L)の配布、ジョルジオアルマーニのポーチ(席に設置)
アミューズブッシュ(つきだし)/パン/オードブル/スープ/サラダ/メーン(3種類からチョイス。オンラインで事前オーダーなら6種類からチョイス可能)/デザートワゴン/コーヒーかティー
台湾式牛肉麺、サラミとチェダーチーズ入りパニーニ、プラントベースミートのバーガー、インスタントヌードル、ホットチョコレートとクッキー
キャロット&フルーツジュース/オートミール飲料/オレンジジュース/アップルジュース/トマトジュース/コーヒー/紅茶
・中華粥/鹹蛋蒸肉餅(塩卵入り蒸しハンバーグ)/目玉焼き/フルーツ
・フルーツ/パン/フランス産バター/ヨーグルト/ミューズリー/オムレツかフレンチトースト
ミュンヘン空港 ドイツ南部のバイエルン州ミュンヘンの北東28キロに位置する国際空港。正式名称はフランツ ヨーゼフ シュトラウス国際空港。ターミナル1はスターアライアンス以外の航空会社、ターミナル2にエバー航空などスターアライアンスの各社が発着。日本からの直行便はルフトハンザ、ANAが就航。空港コードはMUC。空港とミュンヘン中心部はSバーン(鉄道)で約45分。
取材協力・エバー航空
台湾大手のフルサービスエアライン。海運会社を基盤に1989年、台湾初の民間国際航空会社として設立された。2024年3月現在で世界60都市以上に就航する。航空業界の格付け会社スカイトラックス(本社・ロンドン)が認定する「世界の5つ星航空会社」10社のうちの1社で、2024年にも9年連続で選ばれた。日本路線は2024年12月、就航30周年を迎える。2024年3月現在、札幌・仙台・成田・羽田・小松・関空・松山・福岡・沖縄の9空港に就航。2レターコードはBR。英語では「イー・ヴィ・エー(EVA)」と発音される。航空連合スターアライアンスの一員。