福岡空港はJR博多駅から地下鉄で2駅5分、世界でも有数の便利な空港です。台湾大手のエバー航空は1日3便、台北・高雄と福岡を結んでいます。「そろそろ海外に出かけたいけれど、久しぶりで不安」「空港で迷いそう」という人のために、エバー航空福岡空港支店の本田未来さんと籾井良太さんに、国際線ターミナルまでの行き方やお勧め、渡航での注意ポイントを教わりました。
空港と市中、団体ならタクシー
福岡空港は本当に便利ですが、地下鉄に直結しているのは国内線ターミナルのみです。国際線ターミナルへは国内線ターミナルから、無料の連絡バスで10分ほどかかります。日中は6~7分に1本なので、タイミングによっては結構、待つ可能性もあります。
混んでいると乗れずに次のバスを待つこともありますので、荷物が多い人やグループであれば、タクシーをお勧めします。
JR博多駅からだとタクシーでも12分ほど、1,500円ぐらいで着きますし、3階出発ロビーに横づけできるんですよ。
連絡バスは2025年11月末まで予定されている増改築工事の影響で、現在はビルから少し離れた場所に停車します。信号を渡って工事現場の囲いのわきを抜け、ビルまで歩く必要があります。さらにバスが着くのは地上階で、出発であれば3階まで移動しなければなりません。荷物があればタクシーが便利ですね(お勧め①)。
食事は国内線ターミナルで
工事中ということもあり、国際線はかなり手狭な印象です。出国前に飲食できる常設店は、コーヒーショップとうどん店だけです。出国後の免税エリアには5店ありますが小さく、行列は覚悟したほうがよさそうです。私が2024年4月に利用した際は、コンビニにも50人以上が並んでいました。
地下鉄で空港にいらっしゃって食事したい場合は国際線に来る前、国内線ターミナルでとっていただいたほうが…。タクシーで直接来る場合は、来る前に済ませたほうが無難です。
空港到着は2時間前
空港には何時間前に着くのが「正解」なのでしょうか。エバー航空のカウンターは「G」エリアにあります。オープンは出発時刻の2時間前からで、40分前になると手続きを終了します。やはり2時間前ぐらいが混雑のピークだそうです。1時間前になると空いてくるそうですが、やはり旅慣れている人以外は、余裕を持って空港へ行ったほうがよさそうです。
台湾経由で米国へ行かれるお客様は、ESTA※申請が必要になります。忘れていてギリギリに到着されると、搭乗できなくなってしまいますが、余裕を持って来ていただければ、対策が打てることもあります。
※エスタ=電子渡航認証システムで、渡米する72時間以上前に申請するのが原則。
空港にギリギリで着くと、友人同士や家族連れのお客様でも、席がバラバラになってしまう可能性もあります。オンラインチェックインがお勧めです。
お勧め②オンラインチェックイン
エバー航空のオンラインチェックインは、出発の48時間前から1時間前まで可能です。2024年5月からは自動手荷物預け機(SBD=セルフ・バッグ・ドロップ)が設置されました。自動チェックイン機でタグを出してSBDで荷物を預け、そのままカウンターに寄らずに保安検査に進むこともできます。福岡空港の場合、自動チェックインは出発の3時間前から75分前までです。
大型の荷物やベビーカー以外の荷物であれば、どなたでも利用できますので、早く着いたらSBDを利用するといいですね。
モバイルバッテリー・ヘアアイロンは要注意
荷物についておさらいしておきましょう。機内持ち込みできないものとして危険物のほか、化粧水や水など「あらゆる液体」は容器1個につき100ml以下までという制限があります。
キムチやゼリー、はちみつなども液体に含まれるので、機内には持ち込めません。
キムチも液体扱いとは!知りませんでした。韓国からの帰国時、キムチをお土産にしたければ預ける荷物に入れましょう。逆にモバイルバッテリーは預けられず、機内持ち込みしかできません。
モバイルバッテリーが預けたスーツケース内で発見されると呼び出され、公衆の面前でスーツケースを広げて、取り出されることになります。
ちょっと恥ずかしいことになりかねません。ヘアアイロンも注意が必要です。
充電式やコードレスタイプでフライトモードがなく、電池が外せないものは、機内に持ち込むことも預けることもできません。
これも発見されると没収です。コンセント式や電池が外せるタイプであれば、機内持ち込みも預けることもOKです。
また台湾は電子タバコ・加熱式タバコ(IQOS=アイコス)の製造や販売、台湾への持ち込みを禁止しています。機内持ち込みそのものは可能ですが台湾に着いて入境する場合、見つかれば税関に没収されます。
帰国時の注意
液体やモバイルバッテリーについては出発便と同様です。日本への帰国便だと、肉類やソーセージ、ジャーキー、フルーツはほぼ持ち込めません。たとえば余った機内食のサンドイッチもハムや生野菜が入っていれば、没収対象になります。
機内でE-Librauray活用を
無事にチェックインが済んだら、いよいよ搭乗です。エバー航空で台湾へ行く場合、本田さんが教えてくれたのが”EVA e-Library”です。(お勧め③)
搭乗する前に予約番号と姓名を入れてダウンロードしておけば、空の上でも自分の端末で読めます。日本語の新聞や雑誌もありますよ。
福岡=台北の夜便は機体が小さく、個人用モニターがないので重宝しそうです。
台湾に行くなら!電子マネー当たるキャンペーン
2人が声をそろえて「観光局のキャンペーンにはぜひ応募を!」と、そろって教えてくれたのが台湾観光局による5,000台湾ドル(2万5000円)の電子マネーが当たる「台湾個人旅行応援キャンペーン」で、台湾滞在日数が3日~180日の個人旅行客が対象です。2025年6月30日までで、総勢50万人も!かなりの高率で当たるそうです。(お勧め④)
台湾旅行へ持っていくと重宝する持ち物を尋ねると…。
暑いので首からぶら下げるハンディファンを持っていったら重宝しました。美しい景観で知られる九份は雨が多いので、折り畳み傘があると万全です。
たくさん歩くので、休足シートなどがあるといいですね。
安全・安心のエバー航空
海運会社からスタートしたエバー航空は創業以来30年以上、重大な事故を起こしていません。二人とも真っ先にPRポイントとして挙げたのが安全性です。
会社の安全に対する意識が徹底しています。私たちも日々のフライトでも厳しくチェックしていて、安心して乗っていただけます。
フルサービスのエアラインだけに、乗り継ぎも安心です。乗り継ぐ場合は、チケットを通しで、公式HPから購入するのがポイントです。異なるエアラインで購入していると、天候による遅延や欠航などでも対応が難しくなります。
日本=台湾路線は日本人の客室乗務員が1人は乗務していますし、日の丸のバッジをつけた客室乗務員であれば日本語ができます。親日家が多いのでやさしいですよ。
台湾は「沖縄の、ちょっと先」
福岡からだと沖縄まで1時間40分、台湾まで2時間半です。金曜日に仕事を終えてから夜便で飛んで、日曜の夜に戻って来られます。「週末台湾」は日本のどこからでも可能ですが、より楽なのが福岡です。(お勧め⑤)
沖縄の、ちょっと先ぐらいの感覚で渡航できます。食べものもおいしいです。「台湾風おでん」や「塩水鶏」は、見た目はいまひとつですがハマる味わいです。「水餃醤汁」という餃子のタレもやみつきになりますよ。
お茶の種類が本当に多くて、お茶好きにはたまりません。高級なお茶でなくても、ティーバッグの台湾緑茶なども気軽でお勧めです。福岡からは台北便に加えて高雄にも毎日、飛んでいるので、行きは台北、帰りは高雄からといったフライトも可能です。台北もエネルギッシュですが、高雄も素朴で、レンガ造りの倉庫街も素敵ですよ。
次の旅行では、2人に教わったお勧めや注意点、旅のコツを参考にしてみてくださいね。
エバー航空 福岡=台湾便スケジュール
便名 | 福岡⇒台湾スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR105 | 福岡(FUK)12:20⇒台北(TPE)13:45 | 毎日 | 2時間25分 |
BR101 | 福岡(FUK)19:20⇒台北(TPE)20:45 | 毎日 | 2時間25分 |
BR119 | 福岡(FUK)20:20⇒高雄(KHH)22:10 | 毎日 | 2時間50分 |
便名 | 台湾⇒福岡スケジュール | 運航 | 所要時間 |
---|---|---|---|
BR106 | 台北(TPE)08:10⇒福岡(FUK)11:20 | 毎日 | 2時間10分 |
BR102 | 台北(TPE)15:10⇒福岡(FUK)18:20 | 毎日 | 2時間10分 |
BR120 | 高雄(KHH)15:30⇒福岡(FUK)19:20 | 毎日 | 2時間50分 |
福岡空港 福岡市博多区にあり、JR博多駅とは地下鉄で2駅(5分)という利便性の高さで知られる。国内線はJAL、ANA、ジェットスター、ピーチ、スカイマーク、AIR DOなど14社、国際線にはJAL、ANA、エバー、アシアナ、キャセイパシフィック、タイ国際など29社が就航する(2024年4月現在)。国内/国際ターミナル間の移動は無料連絡バス。空港コードはFUK。
取材協力・エバー航空
台湾大手のフルサービスエアライン。海運会社を基盤に1989年、台湾初の民間国際航空会社として設立された。2024年3月現在で世界60都市以上に就航する。航空業界の格付け会社スカイトラックス(本社・ロンドン)が認定する「世界の5つ星航空会社」10社のうちの1社で、2024年にも9年連続で選ばれた。日本路線は2024年12月、就航30周年を迎える。2024年3月現在、札幌・仙台・成田・羽田・小松・関空・松山・福岡・沖縄の9空港に就航。2レターコードはBR。英語では「イー・ヴィ・エー(EVA)」と発音される。航空連合スターアライアンスの一員。