ボーディング・ブリッジを渡って機内に足を踏み入れた瞬間から、アラブそしてダイバーシティを感じるーー。エミレーツ航空は旅のスタートからそんな非日常に没入できる個性的で特別なエアラインです。
エミレーツ航空(EK)のエコノミークラスを利用して2025年11月25日、成田国際空港(NRT)からドバイ国際空港(DXB)経由で、オランダのアムステルダム・スキポール空港(AMS)へ向かいました。今回のレポートは第一弾の「搭乗前編」に続く「機内編」をお送りします。”Fly Better”のスローガンを掲げるエミレーツ航空の機内の様子、機内食、機内エンターテインメントサービスなどに触れて感じた特長を記していきます。
搭乗便(2025年11月25-26日)
EK319 成田22:20⇒ドバイ05:30着(+1)
Airbus A380
12時間10分
搭乗便(2025年11月26日)
EK147 ドバイ08:10⇒アムステルダム12:45
Airbus A380
7時間35分
乗客も乗務員も「多国籍」

午後9時半過ぎ、成田空港第2ターミナルの端、「最果て」の66番ゲートを抜けてEK319便へ乗り込みました。機材は「空飛ぶホテル」や「空飛ぶ宮殿」などと評される総2階建てのエアバスA380です。エミレーツ航空はこのラグジュアリーな世界最大の旅客機の導入を加速しています。

搭乗すると、ベージュの制服に赤い帽子、白いスカーフを身に着けたキャビンクルーたちの笑顔に迎えられます。ベージュの制服はアラブ首長国連邦の砂漠を、赤帽は太陽を、スカーフは風を表現しているいうのは旅好きの間では有名です。日本ではあまり見ない彼女たちの真っ赤な口紅もエミレーツ流の身だしなみですね。
客室乗務員のなかに男性が1便に必ず2人以上いるのもエミレーツの特徴です。乗客の顔ぶれを見渡せば、日本人は2~3割といったところでしょうか。中東やインド、欧州出身と思われる乗客が大半です。機内にはエキゾチシズムが漂います。
クルーは17か国語に対応
エアバスA380の機体は2階がファースト、ビジネスクラスです。私は1階のプレミアムエコノミークラスのさらに後方、エコノミークラスの「84H」の座席に座りました。3-4-3配列の3の通路側をオンラインチェックインであらかじめ指定していました。もともとA380の機体自体が大きいからか、エコノミークラスのシートピッチ(足元の広さ)は84センチあり、身長173センチの私でもゆとりを感じます。
着席してすぐ、機長、チーフパーサーのアラビア語でのあいさつに続いて、英語そして、日本語での機内アナウンス(PA)が聴こえてきます。その内容にはエミレーツを利用するたびに驚きます。「当便には16カ国のマルチナショナル(多国籍)のクルーが乗務しており、17か国語に対応しています」「本日は6名の日本人が乗務いたしております」
世界の130ヵ国以上から約2万人の客室乗務員を採用しているというエミレーツ航空。その「多国籍」な印象は日系や他の外資系エアラインと比較しても突出しています。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイが本拠地ではありながら、世界84か国157都市に就航している世界最大級のネットワークを誇っています。しかも成田発の便は、74%の乗客がドバイを経由して第三国へ渡航するトランジット目的。乗客の国籍、言語、食習慣なども多岐にわたるため、客室乗務員もグローバルなチームを組んで乗客にサービスするのが、エミレーツの特徴と言えるでしょう。
寝る間も惜しいエンタメの数々

ドバイまでは順調なら12時間10分のロングフライトです。6~7時間仮眠をとったとしても、映画ならまるまる2本は観る時間がありますね。そこで、役立つのがエミレーツが誇る「ice」とよばれる機内パーソナル・エンターテインメントシステムです。
information(インフォメーション)、communication(コミュニケーション)、entertainment(エンターテインメント)の頭文字をとったiceは、目前のモニタースクリーンをタッチして、40か国語から好みの言語を選んで操作できます。エコノミークラスのスクリーンはiPadよりも一回り大きい13.3インチですが、ビジネスクラスは23インチ、ファーストクラスは家庭用テレビ並みの32インチとグレードが上がります。
このiceはとにかく優れものです。私はいつも寝る間を惜しんで観てしまいます。英国の格付け会社の「ワールド・ベスト機内エンターテインメント」を十数年にわたって受賞しているこのサービスは、約3,000タイトルの映画、600本の各国テレビ番組、さまざまなスポーツ中継、各国ニュース、Spotify厳選の音楽など全6,500チャンネルのなかから好きなコンテンツが選べます。
スポーツ好きの私は、この場でしか見られないマニアックなスポーツを観るのが常で前回搭乗時はクリケットを観戦、今回はエミレーツ航空が英国チームをスポンサーしているヨットの国別対抗戦SailGPの動画コンテンツを堪能しました。

そして、ずっと観たいと思って見逃していた2025年3月公開の邦画『35年目のラブレター』も日本語音声で鑑賞しました。文字の読み書きができない夫役の鶴瓶さんが妻役の原田知世さんに感謝を伝えるために夜間中学に通いながら猛烈に努力する姿に胸を打たれ、空の上で泣きました。
iceでは地図で現在の飛行位置を確認しながら、着陸までの時間を確認できるほか、免税品やお土産の購入には世界初の機内ショッピングチャンネルEmiratesREDが重宝します。
成田~ドバイは夜食と朝食、いずれも2択
成田-ドバイの長距離フライトのエコノミークラスでは夜食と朝食、2回の機内食が提供されます。タイミングは夜食が離陸から2時間後、朝食は着陸2時間前が目安です。いずれもメイン2種類から一つを選ぶ方式。搭乗前からエミレーツ航空のホームページでメニューを確認できますし、目の前の座席ポケットに紙のメニューが入っています。食材はすべてイスラムの戒律に従って製造、加工されたハラールですが、アルコールは提供されます。
ただ、私の座席H84はエコノミークラスでも機内食が最後に配られる最後方の一角でした。前列の乗客とキャビンクルーとの会話から、片方のメインがなくなったというやりとりが聴こえてきました。私は食制限がないので「余っている方でいいですよ」と申し出ました。残り物にはきっと福があるはず、です。
ビジネスクラスなら、出発の14日前から24時間前までにウェブサイトやEmiratesアプリから注文すれば、あらかじめ希望する機内食を確保できます。

- 前菜:枝豆とコーンのサラダ・レタス、マヨネーズを添えて
- メイン:フジッリのボロネーゼ・パルメザンチーズをトッピング
- デザート:ごまのブラマンジェ・ブラウンシュガーのゼリーと抹茶チョコレートを添えて、チョコレート
提供された夜食のメインは、らせん状のショートパスタ、フジッリのボロネーゼでした。日本時間の深夜過ぎの食事としてはボリュームがありますが、少し濃いめの味付けで、食感にコシがあります。温かくておいしいのでベルギービールのステラ・アルトワと一緒に完食しました。

- 前菜:季節のフレッシュフルーツ、ヨーグルト・フルーツコンポートを添えて
- メイン:さばのグリル味噌だれ、焼きかぼちゃ、にんじん、豆腐ボール、ほうれん草、ごまごはん
- パン:フルーツマフィン
朝食のメインもキャビンクルーにおまかせしたところ、なんと「サバ味噌」でした。これから欧州滞在が長くなる日本人のツボと好みを心得たメニューに感激です。エミレーツ航空は「多国籍」でありながら、日本発着路線には必ず6人の日本人乗務員が乗務し、和食も常備。日本人が大事にされている心地いい感覚があります。
アムステルダム便も2食
ちなみにドバイでのトランジット後に搭乗したアムステルダム行きのEK147便の機内食は以下の通りでした。 メニューはフライトごとに変わります。

フルーツ、ドーナツ、チョコレートパン、ヨーグルト、コーヒー

前菜:スイートコーンとポテトのサラダ
メイン:チキン・フリカッセ、ペンネ添え
デザート:スティッキー・トフィー・デリス
エミレーツ航空の人気機内食メニューは、その味を家庭でも再現できるように、ホームページ上でレシピを公開し、作り方をYoutubeの動画で紹介しています。空の上で気に入った味を旅が終わっても追体験できるのはいいですね。
エミレーツ航空 1985年創業。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを本拠地とし、世界84か国157都市に就航する。日本就航は2002年10月1日の関西国際空港(KIX)が最初で、成田国際空港(NRT)には2010年3月28日から乗り入れている。2025年は成田就航15周年。その15年で74%の乗客がドバイを経由して第三国へ渡航するトランジット目的で利用した。ドバイ政府の所有でありながら、自由競争の原理に則り独自の収益目標と経営権をもって運営される完全独立企業。サッカープレミアリーグのアーセナル、スペインのラ・リーガのレアルマドリード、イタリアセリエAのACミランなどのスポンサーを務めるエアラインブランドとして世界で認知されている。公式サイト







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