世界最大級のエアライン、エミレーツ航空(EK)を利用して2025年2度目の欧州出張へ行きました。2025年2月には同じくエミレーツ航空でイタリア・ローマに行きましたが、今回の目的地はオランダです。
2025年11月25日、成田国際空港(NRT)を出発し、ドバイ国際空港(DXB)を経由(乗り継ぎ時間2時間40分)して、オランダのアムステルダム・スキポール空港(AMS)へ向かいました。”Fly Better”(ワンランク上を、飛びつづける)のスローガンを掲げるエミレーツ航空とはどんなエアラインなのでしょうか。第一弾の今回は「搭乗前編」。往復のエコノミークラスを予約してから出発までの”Better”(ワンランク上)な搭乗準備をご紹介します。続編の「機内編」「トランジット編」にもご期待ください。
搭乗便(2025年11月25-26日)
EK319 成田22:20⇒ドバイ05:30着(+1)
Airbus A380
12時間10分
搭乗便(2025年11月26日)
EK147 ドバイ08:10⇒アムステルダム12:45
Airbus A380
7時間35分
往復20万3千円、コストに優位性(2025年11月25日発)
まずは気になるコストから。予約を完了したのは出発1週間前を切っていました。成田~ドバイ~アムステルダムの往復で、航空運賃9万7,500円、燃油サーチャージ等8万2,120円、税金手数料2万3,440円を合わせ、合計20万3,060円でした。日本から唯一、毎日直行便を運行するKLMオランダ航空よりも割安で、他の航空会社の経由便と比較しても乗り継ぎのしやすさ(乗り継ぎ時間2時間40分)、コスト面で優位性がありました。1ユーロ180円台の円安時代。11月下旬に欧州往復で20万3千円はまずまずと言えるでしょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 航空運賃 | JPY 97,500 |
| 燃油サーチャージ等 | JPY 82,120 |
| 税金・手数料等 | JPY 23,440 |
| 合計金額 | JPY 203,060 |
成田と世界をつないで15年
加えて、エミレーツ航空には実績があります。2025年はエミレーツ航空が2010年3月に成田国際空港に就航を開始してから15周年のメモリアルイヤーでした。成田発着の運行は10,000便を超え、300万人以上の乗客の旅を支えてきました。そんな安心感も相まってアムステルダムへのフライト選択は結果的にエミレーツ一択でした。
ビジネスへのアップグレード14万円
エミレーツ航空の予約サイトで航空券の予約、決済が完了すると、すぐにメールで「お客様のご予約が確定しました」というメッセージとともに予約番号が送られてきます。これでまずは一安心。第一段階クリアです。

ほどなくして「プロモーションメール」が届きました。私の場合には、前回の旅で「エミレーツ・スカイワーズ会員」に登録済みだったため、追加で14万141円を支払えば、ビジネスクラスへのアップグレードが可能という案内でした。「選ばれた方だけのアップグレード・オファーです」「この特別料金はお客様限定のもので、24時間以内のみ有効です」などの文言が、購買意欲を刺激します。

今回の旅ではオファーを見送りましたが、ビジネスクラスを利用すれば、空港までの送迎サービスが利用できること、成田とドバイで厳選ワインや上質な食事がそろうエミレーツ・ラウンジが利用できること、機内ではベッドのようにフルフラットにして横になることができる座席が利用できることに加え、機内食のグレードも上がるとなれば、アップグレードのオファーも、決して悪くないディールのように思えました。残席に余裕があれば、エコノミークラスよりもワンランク上にあたる「プレミアムエコノミー」へのアップグレードを勧める「プロモーションメール」が届く場合もあります。
外せないオンライン・チェックイン

さて、プロモーションメールはスルーしてよくても、見逃せないのは「オンラインチェックイン」を促すメールです。出発の48時間前に届くメールからでもチェックイン可能ですし、エミレーツのサイトから直接行うこともできます。
オンラインチェックインのメリットは、旅慣れた人には言うまでもなく、事前に好みの座席を指定できることです。さらに、空港で優先的に「Online Checked-in Customers(オンラインチェックイン済みのお客様)」の専用カウンターの列に並べること。そして、事前に航空券をスマートフォンのWalletやEmiratesアプリにダウンロードすることによって、渡航書類の代わりにスマホを提示して、空港手続きの時間を大幅に短縮できることなどがあります。
特に座席指定は原則、早い者勝ちなので、必ずやっておくことをお勧めします。
エミレーツ航空の成田~ドバイのEK319便の機材は超大型で知られるエアバスA380。2階建てで2階はファースト、ビジネスクラス。1階がプレミアムエコノミーとエコノミークラスです。ちなみに私自身はオンラインチェックインをした時点で、エコノミークラスの3-4-3配列の3の通路側、比較的空席が目立った後方の座席「84H」を敢えて指定しました。
後方の席は機内食が配られるのが遅く、その選択肢がなくなる場合もありますが、一方で搭乗の順番が早く、座席の上の荷物スペースを確保しやすいので安心です。最後方にあるトイレにも行きやすく、かといってトイレに近すぎず、待つ人が視界に入らない席を選びました。後部座席なら並びの窓際の席が空いていることも多く、その場合は主翼よりも後ろなので窓の外の景色を楽しむこともできます。
オンラインチェックインが完了すると、指定した座席番号とともに、Your boarding pass is ready.(搭乗券がご準備できました)という案内メールが届きます。あとはパッキングして、パスポートにクレジットカード、少額の現地通貨(ユーロ)などを準備して搭乗日を待つだけです。

エミレーツ航空を利用するのが初めての人は、スマホにEmiratesアプリをダウンロードしておくのが便利です。旅程やマイルを管理できる万能ツールで、預けた荷物の位置情報を追跡できたり、機内で聴きたい音楽や観たい映画をあらかじめ選んで、自分だけのプレイリストを作成したりすることも可能です。エミレーツが掲げる”Fly Better”(ワンランク上を、飛びつづける)のカスタマージャーニーは搭乗前から始まっているのだと感じます。
成田第2ターミナルIとJカウンターを目指す

出発当日。さあ旅の始まりです。エミレーツ航空に搭乗するには、成田国際空港第2ターミナル3階の出発ロビーをまずは目指します。エミレーツのカウンターは「I」と「J」。EK319便は、22時20分発のフライトなので、推奨されている3時間前よりも早い、18時台には着きました。
オンラインチェックインを済ませているので、優先レーンに並んで20分ほどでスーツケースを預けられました。預けたスーツケースは乗り継ぎのドバイ(DXB)でピックアップする必要はなく、最終目的地のアムステルダム・スキポール空港(AMS)まで直行で運んでもらえます。
搭乗手続きが完了すると、出発ゲートのオープンが何時で何時までに着いている必要があるか、スタッフが教えてくれます。保安検査、出国手続きは混雑具合が日によって異なるので、余裕を持って行動したいですね。

EK319便の搭乗ゲートはその日、66番ゲートでした。66番は私が6月6日生まれということもあって記憶しているのですが、第2ターミナルの「最果て」ともいえる場所にあり、出国審査を抜けてから、早足でも15分以上歩きます。ゲートはその日によって変わりますが、2025年2月にEK319便に搭乗した時も同じゲートだったので、66番が「定番ゲート」と言えそうです。これが、とにかく遠いのです。
搭乗前のエミレーツ体験。成田空港発の場合、強いて言えば、ゲートへの遠さだけが難点だと言えます。
エミレーツ航空 1985年創業。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを本拠地とし、世界84か国157都市に就航する。日本就航は2002年10月1日の関西国際空港(KIX)が最初で、成田空港(NRT)には2010年3月28日から乗り入れている。2025年は成田就航15周年。その15年で74%の乗客がドバイを経由して第3国へ渡航するトランジット目的で利用した。ドバイ政府の所有でありながら、自由競争の原理に則り独自の収益目標と経営権をもって運営される完全独立企業。サッカープレミアリーグのアーセナル、スペインのラ・リーガのレアルマドリード、イタリアセリエAのACミランなどのスポンサーを務めるエアラインブランドとして世界で認知されている。公式サイト







