【イタリア】サッカー・セリエAを楽しもう!ローマでチケット観戦

ラツィオ
セリエAラツィオとASのホームであるスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ=2024年3月1日ⒸPen&Voyage
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イタリアのプロサッカーリーグ・セリエAをローマで2024年3月、観戦しました。お目当ては日本代表・鎌田大地が所属するラツィオです。当初はプレスとして取材申請しましたが、クラブから承認はおりませんでした。ならばと、チケットをオンラインで買おうとしましたが、それも複数のクレジットカードがはじかれ、購入できずじまい。市中心部のチーム公式ショップで販売している、との情報を頼りに出かけた先も「今は販売していない」とのこと。「当日券」に望みをつないで、ホームのスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマへ向かいました。

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サッカー・セリエAとは

イタリアのセリエAは、イングランド・スペイン・ドイツ・フランスと並んで、欧州5大リーグの一角を占めます。1990年代には7シーズン連続でクラブチームの大陸選手権・欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝に進むなど全盛を誇りました。2000年代にスキャンダルが続き人気が低迷しましたが、2022-2023シーズンはCL準々決勝にセリエAの3チームが進出するなど復権の兆しです。

セリエA所属のチームは2023-2024シーズン、20チームです。レギュラーシーズンは例年、8月下旬から5月下旬まで、ホームアンドアウエー方式で2回、総当たりします。第1節から第38節まであり、下位3チームはセリエBに自動降格となります。2023-2024シーズンはインテル・ミラノが3シーズンぶり20度目の優勝を果たしました。2023-2024の所属チームは下記になります(順位は2024年5月10日現在)。

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順位チーム名略称ホーム
1インテル・ミラノ[Inter]INTミラノ
2ACミラン[Milan]MILミラノ
3ユヴェントス[Juventus]JUVトリノ
4ボローニャ[Bologna]BOLボローニャ(北部)
5アタランタ[Atalanta]ATAベルガモ(北部)
6ローマ[Roma]ROMローマ
7ラツィオ[Lazio]LAZローマ
8ナポリ[Napoli]NAPナポリ
9フィオレンティーナ[Fiorentina]FIOフィレンツェ
10トリノ[Torino]TORトリノ(北部)
11モンツァ[Monza]MONモンツァ(北部)
12ジェノア[Genoa]GENジェノヴァ(北西部)
13レッチェ[Lecce]LECレッチェ(南東部)
14エラス・ヴェローナ[Hellas Verona]VERヴェローナ(北部)
15カリアリ[Cagliari]CAGカリアリ(サルデーニャ島)
16フロジノーネ[Frosinone]FROフロジノーネ(ラツィオ州)
17エンポリ[Empoli]EMPエンポリ(トスカーナ州)
18ウディネーゼ[Udinese]UDIウーディネ(北東部)
19サッスオーロ[Sassuolo]SASサッスオーロ(北部)
20サレルニターナ[Salernitana]SALサレルノ(南部)

(下に記事が続きます)

セリエA歴代の日本人選手は13人

セリエAに初めて挑戦した日本人選手は1994-95シーズンの三浦知良で、リグリア海に面したイタリア北西部の港湾都市ジェノバを拠点にするジェノアでプレーしました。1898年創設のセリエAの歴史に元日本代表のレジェンドが名を刻むと、1998年フランスワールドカップ後に中田英寿がペルージャ移籍(その後ローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ)するなど続きました。2023-2024シーズンは、鎌田大地がアイントラハト・フランクフルト(ドイツ)からラツィオに移籍、プレーしています。

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名前生年月日所属クラブ所属時期
1三浦 知良1967.2.26ジェノア1994-95
2中田 英寿1977.1.22ペルージャ、ローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ1998-2006
3名波 浩1972.11.28ベネツィア1999-2000
4中村 俊輔1978.6.24レッジーナ2002-2005
5柳沢 敦1977.5.27サンプドリア、メッシーナ2003-2006
6小笠原 満男1979.4.5メッシーナ2006-2007
7大黒 将志1980.5.4トリノ2006-2008
8森本 貴幸1988.5.7カターニャ、ノヴァーラ、カターニャ2006-2013
9長友 佑都1986.9.12チェゼーナ、インテル2010-2018
10本田 圭佑1986.6.13ACミラン2014-2017
11冨安 健洋1998.11.5ボローニャ2019-2021
12吉田 麻也1988.8.24サンプドリア2020-22
13鎌田 大地1996.8.5ラツィオ2023-

ラツィオとは

ラツィオ州ローマが本拠のラツィオは1900年創設の伝統あるチームで、セリエA優勝は2度(1973-74、1999-00シーズン)です。ホームスタジアムはローマ五輪(1960年)の会場となったスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ(収容人数7万2,698人)です。チームカラーと愛称はBiancocelesti (ビアンコチェレスティ=白と水色)。元・日本代表の中田英寿が所属し2001-02シーズンにセリエA優勝を果たしたASローマが最大のライバルであり、首都ローマで繰り広げられる両者の対戦は「首都ダービー」「ローマダービー」としてセリエA屈指の注目度を誇る試合となります。

サポーターはローマの「ロマニスタ」に対し、ラツィオは「ラツィアーレ」と呼ばれ、共に熱狂的なサポーター集団としても知られています。(下に記事が続きます)

取材申請通らず、チケット購入

スペイン広場近くにある公式ショップへ
スペイン広場近くにある公式ショップへⒸPen&Voyage

私たちは2024年2月、ラツィオに在籍する鎌田に狙いを定めて、取材を計画していました。チームに取材申請をしましたが試合の前日、不許可のメールが届き、チケットを購入して観戦することに。まずはラツィオの公式サイトから購入しようと試みましたが買えず、他に方法はないかネットで調べたところ、ラツィオの公式ショップ「Lazio Style 1900」でもチケットが購入可能という情報を見つけました。ローマ市内に4店あるうち、観光名所スペイン階段から歩いて3分、プロパガンダ通りにあるショップに行ってみました。

店員に訊くと「コロナ禍以降は車椅子の座席のみで、一般の席は販売していない」とのことでした。すでに午後6時を過ぎていました。ACミランとの試合開始は午後8時45分でした。とにかくスタジアムに行こうと、スパーニャ駅[Spagna]から地下鉄A線に乗りました。

ラツィアーレの道案内でスタジアムへ

スタジアムには301番のバスに乗った
スタジアムには301番のバスに乗ったⒸPen&Voyage
スタジアムに行く途中にあったラツィオの応援グッズを売る店
スタジアムに行く途中にあったラツィオの応援グッズを売る店ⒸPen&Voyage

地下鉄ではユニフォームを着たラツィアーレがたくさんいました。レパント駅[Lepanto]で降りると車内で「カマダ!」と声をかけてくれた男性が「こっちにおいで」と案内してくれ、スタジアムに向かう(らしい)301番の市バスに乗れました。降りてから15分ほど歩き、暗闇に浮かぶスタジアム前に到着です。ゲートに立っている守衛に「チケットは?」と訊いて、指さしてくれた右方向へ歩きました。しかし駐車場しかありません。

当日券は現金のみ

スペイン語と英語で「現金」(のみ)
スペイン語と英語で「現金」(のみ)ⒸPen&Voyage
座席表を見て席を選ぶ
座席表を見て席を選ぶⒸPen&Voyage

引き返して結局、工事現場にあるようなプレハブを見つけました。窓口では手書きで”Efectivo”(スペイン語で現金)”Only Cash ”(現金のみ)と書いてあります。まさか、ここが「窓口」?照明が暗く、気付かず通り過ぎていました。イタリアでは地下鉄でもキャッシュレスが当たり前。なのに、セリエAの当日券は現金でしか購入できない点は意外でした。オンラインで買ってね、ということでしょう。

窓口で示された座席表から45ユーロ(約7500円)を選び、パスポートを提示しました。奥のプリンターで紙に印刷してくれるようです。QRコードやパスポートの個人情報などが記載されたA4モノクロの「チケット」を持って、ゲートへ向かいました。

熱すぎるサポーター

観戦したのはラツィオサポーターのゴール裏
観戦したのは北側ゴール裏Curva Nord(ラツィオ側)ⒸPen&Voyage
緩衝地帯をはさんだ一角に陣取るミランのサポーターⒸPen&Voyage

ゲートで手荷物チェックがあり、ペットボトル入りのミネラルウォーターを係員に没収されました。スタジアムには液体を持ち込めない規則がありますが、スタンドでは水もビールも売られています。

その後、ラツィオかACミラン、どちらを応援するかを尋ねられました。両者のサポーターは安全面から、同じブロックで応援することは許されていません。緩衝地帯をはさんでお互いが隔離されます。私はホームの「ラツィオ」と告げてスタジアムに入りました。スタンド上部には小さな子どもを連れた家族連れや普段着のカップルもいました。

応援はアウェーにも関わらずACミランサポーターの方が、数段統制が取れていて迫力がありました。ラツィオの選手3人が退場する荒れた試合にスタジアムにはいら立ちが立ち込めていました。ビールが飛ぶように売れていました。

試合が終わったのは午後11時ごろです。流れに乗ってバスと地下鉄を乗り継いで、テルミニ駅近くの滞在先へ戻りました。

まとめ:現金のユーロは必要

試合前からビールを飲んで盛り上がっていた
駅からの道は混雑ⒸPen&Voyage
駅前のバール
駅前のバールで盛り上がるサポーターⒸPen&Voyage

サッカー・セリエAのチケットは、チームの公式サイトから買っておくのがベストですが、発売開始は試合の10日前ぐらいからです。何らかの不具合で手に入らなければ、よほどの好カードでない限りスタジアムでも買えるでしょう。ただし現金のユーロをお忘れなく。お酒を飲んでいるサポーターも多いので、雰囲気に慣れるまでは圧倒されるかもしれません。また女性1人で行くのは夜、遅くなることもあるので慣れていなければお勧めできません。

スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ

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